OM-1の記事を書き始めてから立て続けに投稿してきた。元々ネタが溜まっていたのもあって、改めて自分は腰が重いなと思ったw。非常に悪いクセです!可及的速やかに是正しなければ!そんなワケで今回もOM-1の話題を置いていきます^^。
オールドカメラ『OLYMPUS OM-1』を手に入れた!~ファインダーや露出計の修理~ – Crop-of-Life (crop-of-life.jp) ←露出計の修理の話はコチラ
電池の問題を解決しただけなので修理と言う程の事はしていないのですが、露出計本体が作動できない状態ならきっと何をやっても動かなかったでしょう。筐体はもう40年以上前の物なので、本当に状態の良い物に出会えた事、この縁に感謝しています。
◆適正露出が見える!写真が安定する重要な目安
デジカメの時代、適正露出なんて気にしなくてもカメラが全部やってくれるので、初心者の方なんかは弄った事もないかもしれません。写真の表現は露出補正だけで劇的に変わったりするのですが、この露出計が正常に作動していると、ワザと沈めたり、逆に飛ばしたりをフィルムカメラでもできるようになる利点があります。
まずはこの露出計の適正値が本当に適正値かどうかを確かめる必要があります。作動は良好とは言え、このゲージの針が正しく指しているかはこの時点では分かりませんから。因みにこのゲージ、同じ絞りやシャッター速度(露光時間)でも、明るい所にカメラを向けるとオーバーに振れるし、暗い所に向けるとアンダーに振れるんです。40年前の筐体とは言え、なかなか凄い仕組みだと思います!。向けた先の明るさ暗さをちゃんと察知しているんです。
●一しきり撮影して早速現像してみた
露出計の塩梅が掴めていないので、オーバー、ベスト、アンダーの3パターンで撮ってみた。使用したフィルムは業務用格安フィルム、レンズは標準単焦点50㎜です。
新潟市中央区万代シティにある新潟日報メディアシップの展望室から撮影してみた。露出計の指針がベストの位置で撮影してみたが、結構良い感じ。空が太陽光で飛んでいるのは、現像したフィルムをデータ化する際にお店によっては補正が掛かってこんな感じになる事もある(汗)。もし露出オーバーで白飛びするようなら、手前から奥まで広く白い光がカバーしてくる。どうやらベスト位置はちゃんとベストの露出のようだ^^。
コチラは先ほどの向きから反対側の方角。露出計の指針は先ほどと同じベスト位置になるように絞りとSSを調節する。順光になるので写りやすかったみたいだ。丁度良い事に佐渡汽船のカーフェリーが出港するタイミングだった。
●オーバー気味で撮ったものも
コチラは右側から陽光が射している景色。試しにオーバー寄りに指針を合わせて撮ってみた。絞りリングを一つ回すと結構ハッキリ動く。方角は新潟駅方面で、向こうに見えているのは五頭連峰だ。全体的に白く飛び気味になった。なんせデジタルと違ってその場で確かめる術が無いので、もう少しオーバーの方が白飛びらしくなったかも知れない。
フィルムは24枚撮り、全部取り終わるまで結果はお預け。ともあれ露出計の容量はなんとなく分かった。絞りとシャッタースピードの関係も掴んだ。
◆シチュエーションをガラッと変えてみた
新潟県十日町市にある美人林へドライブに行った時にも持って行った。残雪期の美人林は良く晴れて、雪面に反射した陽光が眩しい日だった。
そんなシチュエーションだったので、『適正露出だったら白飛びするかも…』と考えて、絞り一つ分アンダーで撮影した。
結果はご覧の通り、想像以上にアンダーで撮影された。現場が寒かったので、フィルム感度が落ちていた可能性もあります。
余談ですが、フィルムには適正温度と言うのがありまして、あまりにも寒かったりするとISO感度が正しく発揮さず、感度が低くなって像が全体的に黒く落ちていったりします。
●綺麗な景色も残念な結果に
美人林の中心にため池がある。そこは風の影響を受けにくい場所で、リフレクションが綺麗な場所なんだけど、結果はご覧の通り(汗)。同じようにちょいアンダー気味で撮ったんですが、影が強く残ってしまった。
雪は白く眩しく反射していたので、雪に向かってカメラを向ければオーバーに、少しカメラをずらして土の所に向ければアンダーに指針が降れる。カメラを向けた先がどんな光量かで同じ調節でも指針の触れ方が変わるみたいです。
上の写真は木の根元に向けて撮影、露出計の指針はベスト位置に下のですが、逆光も相まって結果白飛びのようになりました。フィルム撮影とはかくも難しいものか^^;
◆いくとぴあ食花で屋内撮影
カメラやレンズの性能チェックや、新しい表現を試すためによく訪れる、新潟市中央区鳥屋野にある施設『いくとぴあ食花』。沢山のガーデニングフラワーが並べられた『食育・花育センター』はいつ来ても癒される空間だ。ガラス張りの棟内はサンサンと太陽が降り注いでとてもオシャレな空間。休日には子供連れで訪れるご家族も多い。
いくとぴあ食花|新潟の観光スポット|【公式】新潟県のおすすめ観光・旅行情報!にいがた観光ナビ (niigata-kankou.or.jp) ←観光案内
SSLが掛かっていないサイトがまだ結構あるのでリンクが貼りづらいです(汗)。SSLが掛かっていないサイトのURLを貼ると、自分のサイトも安全ではありませんと表示されます^^;
食育に関わる教養が得られる同施設だが、自分はカメラテストが主たる目的。勿論マナーを守って花写真を楽しむ分には何の問題も無く、その為に来ている人も結構要る。駐車場は有料(90分まで無料の他施設利用で無料)で、ドッグランなどを除いて入場は無料。
●花と光を撮ってみる
露出計の指針をベスト位置に合わせて撮影。絞りは解放にして、シャッター速度だけで調整した。デジカメで言う所の絞り優先モードと同じ露出設定だ。
あんまり深く考えないで撮ってみたけど、結構思い通りに撮れたはずなのに狙った被写体と背景がアレで、あんまり良くない写真になってしまった^^;これはカメラとかフィルムとかの問題ではなかったWw。
陽光が差し込んでていい感じ。実際の現場はもっと眩しくて、露出はアンダー気味に合わせた。が、意外と暗くなってしまった。フィルムの感度はISO100なんだけど、デジカメに慣れ過ぎて感度の意味を勘違いしていた^^;。特にこのフィルムは格安フィルムだから、ある程度暗い所があるとコントラストが負けるのかも知れない。
コレはイメージ通りに撮れた一枚。背景のボケ味も柔らかくて、被写体の花もちゃんとハイライトされている。やっぱり日の丸構図って強いのかな?。トリミングしてスクウェアくらいのサイズにしても良いかもしれない。
●逆光は案外キレイに撮れて良い感じ
ガラス張りから差し込んでいる陽光をバックに逆光を撮影。露出計の指針はベスト位置に合わせた。フィルムの感度が低いうえに、そんなにコントラストも強くないから返って綺麗に拾えたかな!?。今回のフィルム撮影の中で一番良く撮れたと思う^^。
同じ要領でもう一枚。先ほどの一枚は太陽の対角に居たけど、この一枚は少し線をずらしてみた。陽光に照らされて花びらが透き通っているのが分かる。結構強い光だったと思うけど、光を拾う性能が低いフィルムを使っていた為か返って綺麗に写ったと思うw。
◆『光を撮る』事の意味を再確認する
こうやってフィルムカメラを使っていると、写真の上手な方達が仰る『光を撮る』事の意味が分かってくるような気がする。高性能なデジカメばかりを使っていると、『カメラがなんでもやってくれる』ところがあってシャッターを切るのが雑になってくる。しかもいくら撮っても確認撮り直しが効くから尚更だ。特に今回は感度の低い格安フィルムを使っていたので、改めてちゃんと光を意識しなければならない事を再確認した。
このカメラが作られた1970年代は、写真がカラーで手軽に沢山残せる事が凄く尊い事だったと思う。このOLYMPUS・OM-1は『小型でシンプルで誰でも使いやすい』をコンセプトに世に贈り出された物だそう。現代で言う所のチョット良いコンデジや、なんならスマホカメラの様な存在として創られたのかも知れない。
何か迷ったら原点に帰る。一応自分も世代的にはフィルムカメラ全盛期なので、原点はここにあって間違いない。今となっては物好きな人間ががわざわざ手入れして行う撮影の世界だが、40年以上経った今尚光の量を指針で教えてくれる露出計があるこのファインダーの中には、絶対に忘れてはいけない暖かい血の通った大切なものがあると感じている。
無事に動いてくれて良かった。改めてまたこの筐体は、ここから現役です。
新潟日報メディアシップ
美人林
いくとぴあ食花
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