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2020-10-19

狂い咲きの桜とヒガンバナ

 十月の初め、記念はこの時期になっても殆ど秋の気配を感じる事は無かったが、今年はそれなりに気温の低い日もあってチョット秋らしい感じの日が続いた。

 それでもたまに夏日に迫るようなひもあったりなんかしてなかなか落ち着かないのですが、そんななか近所の水路に並んで植えられているソメイヨシノに花が咲いているのが見えたので、車を止めて確かめに行った。

◆生まれて初めて見た狂い咲き、なぜこんな事が…

F6.3 SS1/800 ISO-200 0EV 370㎜ PENTAX-K-1 SIGUMA-APO50-500

 桜を始めとした多くの樹木は、秋~春の間、すでに付いている蕾が休眠状態になっていて、気温の上昇が続くとこのように開花してしまう事があるそうだ。『狂い咲き』と言う言葉があるくらいなので、古い時代からこのような現象はあったのでしょうか。植物は積算気温によって開花や結実が決まるので、たまに気温が高いくらいでは咲かないようになっているし、ある程度寒い日が続かないと次回の開花の為のトリガーが備わらないので、暫く極端な気候が続いたと言う事なんでしょうね。

F6.3 SS1/640 ISO-200 0EV 290㎜ PENTAX-K-1 SIGUMA-APO50-500

 それにしても綺麗に咲いている。春のようにボリューム満点で咲くわけじゃないので、なんだか儚く切ない雰囲気を漂わせている。

F5.6 SS1/1600 ISO-200 0EV 240㎜ PENTAX-K-1 SIGUMA-APO50-500

 高い所にある枝にはまあまあな数の花が咲いていた。春でもないのに咲いてしまった花達を見ていると、どこか可哀そうな気持ちを持ってしまう。どうせ何もできないのですが。

◆季節を見つめるヒガンバナ

 日本各地に絶景を織りなすヒガンバナ。地方によって様々な呼び名を持っていて、古くから親しまれていたのだろう。

F5.6 SS2.5 ISO-100 -1EV 240㎜ PENTAX-K-1 SIGUMA-APO50-500

 ヒガンバナはその名の通り、秋の彼岸の時期に真っ赤な花を咲かせる。田んぼの畔や、墓の側にこれだけ目立つ花を咲かせるもんだから、小説やゲームなどでは和製ホラーの重要な要素として重宝されていますね。

●どうしてヒガンバナはそんな所に咲いているの?

F2.8 SS1/40 ISO-100 0EV RicohGRⅢ

 墓、寺、日本家屋、田園風景の中など、なんとなく和製ホラーとしてのイメージが強いこのヒガンバナ。実はこれらの場所で咲いているにはちゃんと理由があります。

 まずヒガンバナにはアルカロイド系の猛毒があり、これは植物毒としては自然界最強クラスなのではと思います。同じ種類の毒を持つ物にトリカブトがあります。特に球根に多く含有しており、実はこの毒を利用するために上記の様な場所に植えられているのです。

 日本の田舎集落では、畑や田んぼ、或いは墓地までもがモグラに悩まされていました。モグラがアチコチ掘る事で地が脆くなって崩れてしまう事が頻繁にあります。実は現代の農業でもよくある話なんです。我が家も随分手酷くやられた事があります(汗)

 現在では鳥獣保護法で保護されているモグラですが、『農業被害等が発生した場合に限り、許可なく捕殺してよい』と、言う事になっています。今も昔も、農民はげっ歯類に随分困らされてきたのですね。

F5.6 SS2.5 ISO-100 -1EV 240㎜ PENTAX-K-1 SIGUMA-APO50-500

●種を付けないヒガンバナ

F5.6 SS1/500 ISO-100 0EV RicohGRⅢ ブリーチバイパス

 ヒガンバナは花を咲かせますが、種を付けません。原産国は中国と言われています。専門的な話は分かりませんが、遺伝子染色体が3倍体という性質のものだそうで、この染色体を持つ物は生殖と言う手段ではなくコピーと言う方法でその数を増やすそうです。つまり日本で咲いているヒガンバナは全て、最初に入ってきたヒガンバナのクローン…!?って事になるんですよね。なんかそれもコワいw

F3.5 SS1/160 ISO-100 0EV RicohGRⅢ ブリーチバイパス

◆枯れ色のヒガンバナと季節の黄昏

F2.8 SS1/50 ISO-200 0EV RicohGRⅢ ブリーチバイパス

 自分は結構枯れ色の写真を撮る事が多い。なんだか切なくも美しく、それでいて逞しく感じるその姿がいつも胸に刺さる。

F6.3 SS1/250 ISO-200 0EV 500㎜ PENTAX-K-1 SIGUMA-APO50-500 16:9

 夕焼けに向かって大編隊を組みながらコールを交わして飛んで行く白鳥達。透き通るような鳴き声が、まるで冬をここに呼んでくれているようでした。

 なんだか忙しい時期を過ぎてこうやって季節の写真を撮っていると、あぁ…カメラが使えて良かったなぁと思うのです。

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