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2020-03-25

弥彦山 ~海の吹雪~

 2020年2月1日、新潟県西蒲原郡弥彦村に鎮座する霊峰弥彦山。広い越後平野を見守るようにそこに在る。

 麓には『越後一宮』である弥彦神社があり、新潟の人々に広く親しまれている。御祭神を天香山命(アメノカゴヤマノミコト)とし、越後開拓の祖神として崇敬している。初詣には数キロに渡って渋滞ができ、とても簡単には近付けない程の参拝客で賑わう。

 そんな弥彦神社を麓に添える弥彦山。山頂までの殆どの工程を車で行けるし、バリエーションコースも豊富で一合目からじっくり上る事もできる。ロープウェーも運営されているので、登りはロープウェー、下りは歩きなんて事もできるのだ。

 そんな弥彦山だが、スカイラインは12月から3月いっぱいまで冬季の通行止めに入る。入る車が無くなるので必然的に人も減り、冬の間が最も快適に登山ができると自分は思っている。冬山ならではの澄んだ空気とヤブ落ちによって平野が広く見渡せるのがとても良い。

 自分はここは、登山と言うよりはホントにカメラ散歩くらいのラフな感じで歩いている。運が良ければ珍しい野鳥とも会えるし、自宅から遠くないので来やすい。この日はチョット車道沿いに歩いた後、山頂付近から海を撮った。昨年ここへ来た時の写真も共に掲載したいと思う。

普段はとてもできないスカイライン車道歩き

F4 SS1/800 ISO-100 -0.7補正 19㎜ PENTAX K-1 DA12-24

 なんだか車道のど真ん中を歩いていると悪い事をしているみたいでチョット気分がWw普段は車であっという間の所も、こうやってゆっくり歩いてみると色々新しい発見がある。道の脇に結構タラの木が生えているではないか!と、ついつい山菜探しをしてしまう我がサガ。。。

F4 SS1/125 ISO-100 -0.7補正 19㎜ PENTAX K-1 DA12-24

 道の脇から少しだけ入り込んだ所に謎のガードレールが…。明らかに道ではないが、かつて道だった所なのだろうか?いままでこんな物気付きもしなかった。来慣れた所だがまだまだ発見が多い。

F4 SS1/500 ISO-100 -0.7補正 18㎜ PENTAX K-1 DA12-24

 車道に沿って少し下った所。何も無い所に反射材が付いたポールがポツンと立っていた。やはりここもかつて道路だった所なのだろうか。今じゃ歩道にすらならない。

F4 SS1/500 ISO-100 -0.7補正 18㎜ PENTAX K-1 DA12-24

 無造作に投げられたポール。根元が錆びていたので自然と折れたようだ。今でこそ随分落ち着いたが、ここは夜になると走り屋の道になる。実写版イニシャルDのロケ地にもなった事で知られている。ドリフトに失敗して吹き飛ばされたポールならもっとグチャグチャになっているか。

ひと下りして、また登りなおし

 この日は弥彦山の隠れた名所に寄っていた。どこに寄っていたかは伏せておく。風邪が強く、晴れたり吹雪いたりしながらの天気だった。

 ここにはパラグライダーをするための台が設置されている場所があって、たまに大空を舞っているグライダーを見かける。見晴らしが良いように整備されていて、案外展望が良かった。

F13 SS1/1000 ISO-100 -1補正 50㎜ PENTAX K-1 SIGUMA APO50-500 アスペクト16:9

 山に登って大海原を望む。きっと、そんな山は多くないかもしれない。そしてさほど高くない標高ならではのディテールが見える景色はきっと、高山には無い魅力だと思う。

 RAW現像の際、折角なのでアスペクト比を16:9にしてみた。写真は引き算というセオリーがあるので、それに従って上と下の部分のトリミングも兼ねて整えてみた。スマホで見る時、横写真は大体横に倒して見る事が多いと思うが、このアスペクト比にするとiPhone7以降なら画面いっぱいに写真を余白無く表示できるので、作品をより伝えられると思う。

 こんな空を見ていると、昨年の夏にヒットした映画『天気の子』を思い出す。RADWIMPSがテーマ曲として書き下ろした『愛にできることはまだあるかい』が良く似合いそうな空模様だった。

海の吹雪

 海の上の吹雪の美しさを、あなたはまだ知らない。

F18 SS1/80 ISO-100 -1補正 50㎜ PENTAX K-1 SIGUMA APO50-500 アスペクト16:9

 西に傾きかけた日に照らされて、眩しく輝く日本海の吹雪。降っている所と降っていない所に分かれているのは、珍しい事ではない。雪や雨を『外側』から見る機会はそう多くないと思う。普段は建物に囲まれた所で暮らしているからだ。

F18 SS1/60 ISO-100 -1補正 170㎜ PENTAX K-1 SIGUMA APO50-500

 強い風が吹き荒れる日本海。無数の分厚い雲を連れてきては、千切って雪を降らせ海面に光の矢を突き刺す。短い時間の間に何度もそれを繰り返す。

F18 SS1/400 ISO-100 -1補正 113㎜ PENTAX K-1 SIGUMA APO50-500

 『雨粒の中には500年前の人の涙がある』。どこかでそんな一文を目にした。そうだとしたら、冬はその人の涙も凍らせて雪の結晶にするのだろうか。

 そんな事を考えていると、吹雪のカーテンの向こうから黄金色の光が差してきた。かじかむ風は、防寒手袋さえ染み込んで手に伝わってくる。

 手袋に雪が落ちてきた、辺りは雪が無数に舞い始めている。どうやら500年前の人の涙の話は本当かもしれない。

弥彦山山頂風景(2019年)

F9 SS1/1000 ISO-200 -0.7補正 50㎜ PENTAX K-1 SIGUMA APO50-500

 弥彦山のお宮から新潟市方面を望んだ風景、写真は2019年1月26日。なぜ過去の写真を出したかと言うと、単純に時間が無くなって山頂まで行ってなかったからだ。この写真を見ても、前年はそれなりに雪が降っていた事が分かる。

F9 SS1/2000 ISO-200 -0.7補正 93㎜ PENTAX K-1 SIGUMA APO50-500

 寺泊~上越方面。金色に輝く海原が広がった風景は、おおよそ山登りで見る風景とは一味違う。実はこの時は、チョット手術して腹部が痛いままだった。リハビリがてらの弥彦登山だった。

F14 SS1/500 ISO-200 -0.7補正 50㎜ PENTAX K-1 SIGUMA APO50-500

 山頂から下がった所に在る駐車場から、佐渡島を望んだ風景。この日は天候こそ良くはなかったが、空気が澄んでいて島の輪郭が良く見えた。向こうにも雪が積もっているのがよく分かる。

F8 SS1/1000 ISO-200 0補正 170㎜ PENTAX K-1 SIGUMA APO50-500 HDR-ADV

 下山する時にはすっかり夕焼け空になっていた。写真の場所は登山道中腹にある休憩場所からの展望。真ん中下の方には『弥彦の大鳥居』があって、ここも新潟県下屈指の撮影ポイントだ。運が良ければここで雲海に包まれた街の風景と大鳥居が撮影できる。

山の写真を練習するならよく整備された低山が最高に良い!

 カメラ初心者が、手軽に歩いて行ける自然風景などを取り慣れると必然的に『本格的なネイチャーフォトが撮りたい!』と思うハズ。かと言ってガチめの登山スキルが無ければ危険な山は多い(というより安全な山は無い)。そんな時は弥彦山のように『登山道がしっかり整備された、登山初心者でも片道1.5時間程度で山頂に行ける山』から始めると良いかも。標高にすると600m~って所だろうか。勿論、山頂までの時間は山の形によって異なるから、時間を基準にすると標高が低いのに行けない所もあるかもしれない。山に入る時は準備と下調べをしっかりと!

F13 SS1/13 ISO-100 PENTAX K-1 SIGUMA APO50-500

 流れるように尾根を形成する冬枯れの斜面をパターンのようにクロップしてみた。こんな風に『頑張らないと行けない風景』は特別だ。3000m級の山々が連なるアルプス山脈はもっと凄い事になっている。ああ…時間とお金があればゆっくり縦走しながら写真を撮り歩きたいものだ。

F9 SS1/8 ISO-100 -1.7補正 50㎜ PENTAX K-1 SIGUMA APO50-500

 下山する頃には山頂付近はすっかりガスに巻かれた。おまけに夕刻で薄暗くなり始めているので駆け足で下山。霧に包まれた不気味な森の風景を切り取ってこの日は終わりにした。

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