新潟市中央区古町、チョット別件で用事があって訪れたついでにGRⅢでスナップをして歩いてきた。
よく写真雑誌で投稿されているような、人の表情なんかが丸写りになっているタイプのスナップショットは殆ど撮らない。あれって肖像権とかどうしてるんしょうかね?撮った直後にいちいち写った本人に声をかけて許諾を得ているんでしょうかね?特にそれに反対とかは全然ないんですけど、もし写っている人に訴えられたらどうなるのかな…?なんて思ったりもして^^;
とは言えラフに撮って歩くのは楽しい。普段景色を撮っている時と違って別の感性が刺激されるので、定期的にやっていると色々勉強にもなるし、リフレッシュにもなる。
写真は良い。こんな何てこと無い散歩道も、短編小説にして残してくれる。

歳末感が出ている店先の光景。そこに並んでいるのは冬を乗り切るための食材たち。昔から厳しい冬に備えて様々な準備を夏の間に行ってきた。今はそこまで心配しなくても良い時代だが、何と言うかこういう感覚を忘れたくない。

新潟名物のポッポ焼きの露店。祭りなのでは定番だが、割と市内のどこかしらで常に販売してくれている。

商店街の隅にひっそりと小さな灯りを灯していた駄菓子屋。昔よく遊んだオモチャなんかも並んでいて、懐かしい匂いがする。こういうのは経済の為にあるのとは少し一線を画している存在だと思っている。

古町商店街の中心に位置する所にある小さな神社。商売繁盛や家内安全を祈願するようだ。おみくじが沢山結ばれている。願いは届いているかな…?
ふと空を見上げると、雲間から青空が見えていた。風は冷たい。雨はもう降らないらしいが、別に晴れる訳じゃないみたいだ。

古町には『西堀ローサ』という地下商店街がある。天気が悪い新潟ではこういうのは昔は画期的だったんだろうな…。地下ってだけで男の子は無駄にワクワクするものだが、ここ十年程空き店舗が目立つようになってきた。これも時代か…いやむしろ『コレが時代』…か…。

今日本中の商店街で空き店舗が問題になっているというが、こうやって実際に見てみると実に切ない光景だ。自分には何もできないが。

ローサの階段のある風景。案内看板と非常口の明かりが煌々と光る以外は殺風景とも言える場所。
地下に降りて来る階段の上から差し込んでくる外の光。階段のある風景に妙に惹かれる。

地下駐車場に降りていく階段の手すりの隅に置き去りにされたボトル飲料。これがもし人の心その物なら、きっとこの場所もこうやって人々に置き去りにされるんだろうと思う。

まさに路地裏って感じの場所。この落書き、本当に落書きなのか、建物の持ち主が敢えてアートとして描いたのか…最近微妙な感じのものが多いように思う。

商店街の裏に伸びる古い住宅街。古民家…と、言うとちょっとおしゃれな古い家屋が立ち並んでいる。人々が寄り添わなければ生きていけない時代の象徴の様な街並み。今も昔もこの距離は明らかにストレスだ。ただ、昔はこうじゃなきゃ生きていけなかっただけ、今はこうでなくても生きていけるだけ。

街は時代の写し鏡、これまでどうして来たかが残されて、これからどうしていけばいいかを読み取れる。変化を恐れた者から滅んでいき、変化を受け入れた者は懐かしきを失っていく。
写真は良い。そんな自分の『目線』をこんなにも残してくれるから。この日歩いた散歩道を、短編小説にしてくれる。