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2021-02-20

オールドカメラ『OLYMPUS OM-1』を手に入れた!~ファインダーや露出計の修理~

 少し前にジャンク品を漁りに中古ショップへ出掛けた。いつも行っている所で、ジャンクコーナーくらいしか立ち寄らないのだが、この日は特に目ぼしい物が見つからず店内をプラプラしていた。楽器やその他家電品を適当に眺めて回っていると、アンティーク品と言うかオールド品を展示しているエモいコーナーに差し掛かった。

 昔のラジオや黒電話(因みに自分は現役で使っていた時代がある)などが並ぶ中、フィルムカメラが並んでいるのが目に入った。

◆フィルムカメラはロマンの塊だった

 自分が子供の頃は当然フィルムカメラが主流だった。実家にあったフィルムカメラを使って写真撮影を楽しんでいたが、小学生のお小遣いではそう簡単にフィルムも買えないし、現像に出すのも大変だった。そう考えると今の時代は本当に良くなったと思います。

 目に入ってきたそのカメラは、一際キラキラと輝いていた。値段は9000円。ジャンク品にたかるような身分の時分には結構な金額だった。それでもなんだか胸に湧き上がってくるものがあって、思わずクレジットカードを切った…。

 因みに画像ではズームと単焦点のレンズだが、販売時は右の単焦点レンズが取り付けられていて、数日後にこれまたたまたま見つけたズームレンズ(2500円)を即買いした物だ。

●40年以上前の筐体

 帰宅してネットで色々調べてみたら、OLYMPUSのHPにはまだ取り扱い説明書が載っていてダウンロードできるようになっていた。その他年式的な部分を調べてみると、1973年(昭和48年)に発売された物らしい。流石に生まれてないw。その前年にM-1と言うモデルを発売しているらしいが、他メーカーとの権利の関係で改名しているようだった。

 そんなに古い物がこれだけ綺麗に残っているとは、前の持ち主はさぞ大切にしていた事だろうと思う。余談ですが、自分は猟銃を所持しているのですが、引退したハンターから卸してもらったその銃は57年前の代物ですw。特に古い物が好き!って、ワケじゃないのですが、妙に良縁がありますw

●そこは古い物、さすがに手入れが必要な部分もある

 まず第一に気になったのがファインダーの中。何やらガラスが割れた様な影が見える。どういう状態かよく分からなかったので、某有名プリントショップに職人を紹介して頂いて、見てもらう事にした。

 修理職人『これはファインダーのプリズム部分にあるモールが腐食してプリズムその物が傷んでいる状態です。現状部品の製造はありませんから、部品取りが出来るOM-10と言うモデルでプリズムが綺麗な物が見つかれば移植して直せるのですが…』

 …あった。かなり都合よく見つかった。大抵はネットオークションなんかで状態確認をしながら探すらしいが、いつも行っている中古ショップのジャンク品コーナーにあった。今まで気にした事も無かったなぁ^^;

 あっと言う間に直った、工賃は1万円。部品の分解組み立ての他に簡単な清掃や点検、目地の張り替えなど色々手を入れて下さった。とてもありがたい。

 前の持ち主の方が、幾度となく覗き込んだであろうこのファインダー。ここから何を見ていたのかな…、息を呑む風景?衝撃の瞬間?家族の笑顔?カメラは何も語ってはくれないか…。

●露出計が作動しない!適合する電池はもう製造されていない。

 デジカメが当たり前になって、スマホでも機械任せで簡単に綺麗に写真が撮れる時代、かつて綺麗な写真を撮る為にどれだけ苦心したかを知ると現代のありがたさが分かると思うのであります!何にでも言える事なんですがw

 子のカメラで使用できる電池は当時主流だった水銀電池らしいのですが、皮肉と言うか何と言うか、コレが発売された1973年は『水俣病訴訟』があった年です。水俣病の原因となった物質はメチル水銀化合物と言う物で、水銀電池と直接関係するかはわかりませんが、現代に進むまでの間に水銀製品は製造が禁止になり、このカメラの露出計は動力を失って使用する事が出来なくなりました。

◆無くても諦めない!こういう時こそ工夫で乗り越える!

 実はこの露出計、現在市販されているボタン電池でも電圧だけ気を付ければちゃんと作動するそうで、その為のアダプターなんかを市販しているメーカーもあるそうな。

 とはいえ自分は大変に貧乏、アレコレお金を掛ければ簡単に解決する事は百も承知の上だが、調べてみると結構する上に在庫が無い事が多い。なんとかならないものかと勉強した。

●理屈では電圧と電池の形が合っていれば使用できる

 色々考えた末に必要な材料を揃えた。電池はパナソニックのLR44と言う製品。通常の市販ボタン電池が使用できない原因の一つに電池の形が合っていないと、言うのがあった。これはつまりどういう事かと言うと。。。

 こういう事。この状態でキャップを占めても電池の+も-も当たらない。つまりコレを適正な位置に固定出来ればこの電池でも大丈夫という事な訳だ。んで、自分が出した答えがセロテープで太らせるでした。

 電池にセルテープをグルグル巻きに貼って、余分な部分をナイフでそぎ落としてベストなサイズに仕上げていく。

 こんな感じで収まって、動作確認をしながら必要に応じてまた削いでいく。コレを繰り返して露出計の作動を試みた!

 因みにこの時点では、露出計その物が壊れている可能性も否定できなかった。何とか無事に動いてくれ!

 …嘘だろ…!?無事に動いた!上手く行ったんだ!やってみるもんだな~!

 こうやって自分の力で古い物を使えるように直せた時っていつも感動するんですよね。昔から単車や車も自分たちで直しながら遊んできたのですが、気持ちは今も変わりません。

◆ジャンク屋には意外と使えそうな物が転がっている、本格的な撮影に向けて準備

 ある日ジャンク屋をブラブラしていたら、フィルムカメラ用のレリーズを発見した。デジタルだと電子リモコンや、高性能なワイヤレスリモコンもあるけど、これはバリバリのアナログ。ボタンでワイヤーを押し込んでシャッターボタンを押し込むだけのシンプルな物。勿論、ボタンをロックしてバルブ撮影も可能だ。これがあればスローシャッターでの撮影もできるから、NDフィルターなんかを被せれば水の流れも表現できるかも。

 カメラ用品店で格安フィルムを購入してきた。感度は100、24枚撮りなのでテスト撮影には丁度良い。基本的な使い方はデジカメでもフィルムでも変わらないので、良いロケーションを探して楽しみたいです。

 次回は実際に撮影してみた時の様子を描きたいと思います。

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