このブログでメインで使っているカメラ、PENTAX.K-1。フルサイズ機でありながら今までオールドレンズだったり、APS-C用のレンズだったり、社外品のSIGUMA.APO50-500と言った正直『フルサイズ機のK-1の良さを生かしきれない』使い方をしていたと思います。
勿論同じKマウントなのでそこまであからさまに影響は無いものの、フルサイズ機の良さを出すなら当然それに合わせて設計されたレンズを使うのが一番良いに決まっています。
最近チョット人生の転機を迎えたので、コレを機に思い切ってレンズを買い増ししました!と、言っても程度の良い中古ですが^^。
今回買い増ししたレンズは標準ズームタイプの『HD-PENTAX DFA24-70 F1:2.8-ED.SDM.WR』です。
大口径レンズで全焦点距離でF2.8を実現した明るいレンズでレンズ群は12群17枚、絞り羽の枚数は9枚、フィルター径は82㎜、堂々とした風格のある大きくてカックイイ感じのレンズです。所有感は抜群ですね!、まさにK-1の為に作られたレンズって感じです!。
K-1が世に出てからずっと活躍していたレンズですし、K-1ユーザーなら普通に使用している方は多いと思います。ですが作例をネットで検索しても意外と多くない事に気付きました。むしろ使うのが当たり前になっているから?そんな標準レンズを今更ながら手に入れて色々写真を撮ってみました!
『さすがK-1用大口径レンズ』と、言った感じで使い心地は抜群だったので是非見て行って下さい!。
目次
- カメラの良さを最大限引き出せる標準レンズという存在
- 大口径標準ズーム
- 大口径の明るいレンズが表現を広げてくれる、早速色々撮ってみよう!
- まずは自宅周辺で
- 使い勝手の良い焦点距離でネイチャーフォトにも強い
- 機動性と描写力は申し分無し
- 一眼レフでどんどん攻めるネイチャーフォト
- バエ写真に挑戦!ポートレートにも!
- 光あふれるキラキラ写真を目指して
- 明るいレンズと言ったらポートレート
- 道具の使いやすさは自信に繋がっていく
◆カメラの良さを最大限引き出せる標準レンズという存在
レンズは大まかに『標準』『広角』『望遠』『単焦点』に分かれますが、その中でも標準レンズに関しては基準になるような筐体が想定されて、大体がセットで開発されているようです。
今回買い増ししたDFA24-70も、フルサイズのPENTAX.K-1が作られた時にそのカメラに最適になるように作られたそうです。実際相性も抜群で、良さをストレートに出してくれます。敢えて悪く言うなら個性は無いですw。
●大口径標準ズーム
焦点距離は24㎜~70㎜の標準ズームレンズですが、F値が通しで2.8のとても明るいレンズです。
大体のズームレンズは焦点距離に応じてF値がちょっとずつ絞られていくのが普通ですが、前玉が大きくなる事でズームしてもF値が一番明るい状態をキープすることができます。そうすることで大きく柔らかく背景をボカす事ができます。
そんなシチュエーションでも柔軟に対応できるように作られている為、使い勝手は非常に良いです!自分がK-1を購入した時にはK-70が別に有って、そのカメラの標準レンズを使用していた事からなかなか手が出なかった品物でした。
街中や庭撮り、登山などのアウトドアからポートレートまで自分のシチュエーションのほぼ全てをカバーしてくれる頼もしい存在となりました。
◆大口径の明るいレンズが表現を広げてくれる、早速色々撮ってみよう!
何はともあれ写真は撮らなければ始まりません。早速いろいろ撮ってみました。
●まずは自宅周辺で
自前の田んぼの脇に三角の余分なスペースがあって、そこになんちゃってビオトープを作ってあるのですが、ほぼ放置しているそこにとても綺麗な白いハスの花が咲いていました。
奥行きがあるので軽く絞って撮ったのですが、凄いシャープに描写してくれます。それでいて背景をうるさくしないのでより被写体を際立たせてくれています。
こちらはシシトウの花。F値を全開にして、更に露出補正を振って明るく撮りました。手前も背景もいい感じにボケて柔らかな空気感を演出できました。
大口径レンズって、F値を全開にすると被写界深度が浅すぎて大体が被写体の輪郭がボヤけてしまいがちですが、そこは現代の高性能デジイチレンズ。パキっとはいかないものの、ちゃんと写してくれています。
赤シソの葉を摘む妻の手を撮った一枚です。強い逆行が差し込んでいましたが、返ってこれが日常のワンシーンを昇華してくれたように思えます。後ろに広がるのは稲刈り前の田んぼです。
こうやって撮るとレンズが結構ギラついたりするのですが、コレはフィルター無しでも嫌なギラつきが無くて良いですね。
F値も開放で使っても思った以上によく写ってくれています。
ワイド端で夕焼け空を撮りました。F値はオートでカメラ任せにしたら、結構絞られました。遠くの空もシャープに描写してくれています。広角域もいい感じですね、こんだけ広く撮れれば使い勝手も良いわけですよ^^。
HDコーティングが施されていて無用な反射やハイライトの飛びが軽減されていいるので、こんな風に空を撮るのもどんどんできそうです。
辺りがかなり薄暗くなってきました。そんな状況でも感度低くして手持ちでこれだけ安心して撮れるのは良いですね。辺りの暗さに合わせて露出補正を暗く振りました。それによってシャッター速度も同時に稼げます。
夕日の逆行で撮影。夕日とはいえ結構直角にカメラを構えたのですが、ちゃんと写っていますね!我ながらこの感じがとても好きです。
被写体に寄って軽く絞りを入れながら撮った一枚。採れたての野菜たちの瑞々しさがよく写っています。
手の向こう側のボケが柔らかいので、小野菜の収穫の温かい空気感もちゃんと伝えることができるのはやっぱり大口径レンズならではですね^^。
ウサギのナナが地面で寛いでいるところを、なるべく同じ目線になるように地べたに這いつくばって撮りました。いつも使っていた望遠レンズ(実はFFでマトモに撮れるレンズがこれだけだった)よりも遥かに小さいので(それでも標準の中ではデカい方)尊いウサギの為にコウベをつくばうには良いレンズです。
◆使い勝手の良い焦点距離でネイチャーフォトにも強い
標準レンズはその使い勝手の良さから、アウトドアシーンでも重宝します。特に自分は一年通して何かと山に入る事が多いのですが、スマホやコンデジではやはり物足りなく感じるので一眼レフは必ず持っていくのですが、500㎜の望遠レンズか、オールドレンズしか持っていなかったのもあって随分世界観が変わったように感じています。
●機動性と描写力は申し分無し
大口径レンズとはいえ、あれこれゴチャゴチャ持っていかなくても良いので全然荷物に感じません。更にPENTAX.K-1はフルサイズ機でありながら小型の筐体なのでより機動的です。
ちょっと特殊なタイプの風景写真の撮影ですが、自分が思っていた以上にいい感じに撮れています。というのもこの写真NDフィルターなどを一切使っていないのです。それぐらい現場が鬱蒼として暗いというのもありますが、スローシャッターの使いやすさもチェックできました。
こちらも先程と同じように撮影した一枚です。絞りはMAXで回析現象発生気味ですが、個人的には許容できる範囲としましたw。
この場所は比較的足場の良い所ではありますが、道があるわけではないのでテクテク行ける場所ではないです。以前はここへ唯一FFで撮れる望遠レンズと、APS-C用の広角レンズを持って行っていましたが、このレンズ一つあれば用事が足りるようです。
●一眼レフでどんどん攻めるネイチャーフォト
手返しが良くなった分、コンデジ感覚でどんどんシャッターを切りに行けるようになってますます撮るのが楽しくなりましたよ^^今までやってた事は何だったのか…w
山菜採りで最近見つけた場所。ここへ行くための道は無く、ヤブを抜けたり斜面を横切ったりしてようやくたどり着く場所。カモシカの足跡も見つけました。
そんな場所でもカメラを胸元にセットして(そういうホルスターがある)道なき道を超えていけるようになったのは良いですね。
斜面をトラバースしている時にたまたま見つけたキノコ。種類までは分かりませんが、こんな風に直感的に切った一枚が自分でも満足いくものにできるのは、やっぱり総合的な使いやすさがあるからこそだと思います。
ガレ場と沢が入り組んだ所の下に、カワセミの羽が散らばっていました。これはカワセミが何者かに捕食された痕跡です。山や森の深い所に入り込むと、こういうリアルな野生の世界を見ることができます。
かなり目線が低い場所なのですが、使い勝手の良いレンズのおかげで大胆に低く構えることができました。また、広角域もよく効いてくれて、オシャレじゃないリアルなストーリーを切り取れました。
山の中の道なき道を行くには、沢に沿って登るのが手っ取り早いです。なので、自分の写真に水辺が多いのはその為だと自分でも思っています^^;。
ここも例によって足場がすこぶる悪い所をず~っと抜けてくるのですが、機材が軽くなった分猿のように岩場を飛び越えてこれるので良いですね!
仕上がりイメージを『銀残し』で撮りました。現像ソフトの都合で撮影時からJPEGで撮るのですが、綺麗にクッキリ写せています。
橋の上から見下ろす形で撮りました。一面の水草がとにかく圧巻で、でも立ち位置が限られているから望遠や単焦点ではなかなか柔軟に表現しにくいのですが、標準ズームならその辺も結構融通が利くので我ながら納得の一枚となりました。
大口径の明るいレンズって、やっぱり曇りの日も強いんでしょうか?ちょっとそこら辺は自分が感じている範囲でしかなくて、何か裏付けがあるわけではないのですが、曇天でも結構見える写真を撮ってくれている気がします。
これもNDフィルター無しスローシャッターの一枚です。これは手持ちでの撮影なので、レンズがどうこうよりも手振れ補正がスゲーって感じの一枚ですがw。
もうここまで来ると確信に近いですね。『コレは使える!』。
自分のテーマの中にもある『木』。広角とズームを結構切り替えながら撮る事が多いのですが、丁度よい焦点距離のお陰で一本で表現できます。
ワイド端は撮る角度によっては、画角の隅にパースができるんですね!カッコいい!。
ネイチャーフォトでは絶対に欠かせない木という存在。力強い根の姿を引き締めて表現できるのは明るいレンズならではだと思います。
この広角域が結構使えると思います。『あがりこ』で隆々となったブナのずっしりとした質感をよくとらえてくれています。
取り回しも良く汎用性も高い。これはもう…APS-C用のレンズは全部処分しても良いかなと思いました。
◆バエ写真に挑戦!ポートレートにも!
風景写真や記録写真をメインに撮影をしてますが、今回このレンズがとても良かったのでもっと色々撮ってみたくなりました。
特にSNS映えするような写真とかはチャレンジしたことがなく、いい機会なんでちょっと勉強しながら『こんな感じ?』的に撮ってみたのと、実はたまにやるポートレートで被写体から許可が下りたので一部掲載させて頂きます。
●光あふれるキラキラ写真を目指して
妻と二人で出かけた時の写真です。当日は生憎のやや曇り空でしたが、思いっきりキー設定を上げてさらに露出補正を振って飛ぶギリギリを攻めて自分なりにキラキラ写真にしてみました。
大口径レンズのお陰で背景はふんわり柔らかくボケているので良い感じです^^。
誰かが遊んでいった跡が残っていました。周辺には小さな足跡があったのできっと小さいお子様連れだったと思います。
同じ設定のまま絞りを開放にしてよりふんわり感を出してみました。こんな時はシャープな描写力に拘らない方が良いと思えました。一本のレンズでシャッキリからふんわりまでカバーできるのは便利ですね。
露出補正だけを明るめに振った一枚ですが、被写体の華々しさもあって落ち着きのある一枚にできました。
これまで使ってきたレンズには無いどんな光も柔らかくとらえる事ができるのがこの大口径レンズの良い所でしょうか。
ボケ優先で開放で撮った一枚。被写体の質感を捉えるためにもっと絞っても良かったのかなと思いますが、コレはこれで良い感じではあります。
もうちょっと彩度を盛って撮ってもよかったのかな?^^。
●明るいレンズと言ったらポートレート
ポートレートでは明るいレンズで、単焦点が良いとされています。その方が背景ボケも綺麗に柔らかく、尚且つ被写体を引き立たせてくれるからです。
これも標準とはいえ一応大口径。ここまでその性能は申し分ない事は十分分かりました。肖像権と個人情報の都合で当ブログでは掲載をしないだけで実は、結構な数のポートレートも行っています。
絞り開放で撮影した割にはえらい綺麗に押さえられた一枚です。いまだにこの仕上がりがよく分からないのですが、そういう所が素人のまま時間だけが過ぎている証拠ですね^^;。基本的にこのブログでポートレートを公開することはないですが、今回のように本人から直接掲載許可が出た場合に限り公開させて頂きます。
店長昼間っからビールですかよ(。▰´▵`▰。)
でもちゃんと真剣に店を切り盛りしています。モノクロで撮るときレンズはそこまで関係無いと思うこともありましたが、やはり違いますね。明るいレンズで撮ればモノクロの立体感がより強調されます。
ポートレートはその人の生き様を写して初めて良くなると聞きました。写真にはいろんな表現がありますが、被写体の本質を映し出すには技術やセンスも大事ですが、最大限引き出せる機材もやっぱり大事になりますね^^。
EBE店長、ご協力あざっす!お店のリンクのせておきますぜ!
ING DEPT. イングデプト【公式】 (owst.jp)
◆道具の使いやすさは自信に繋がっていく
それなりに不便な使い方をしているな~…と、自分でも思っていましたが、こうやって使いやすいアイテムを手に入れる事で撮影の効率も上がるし、そのことでより数もこなせるようになりますし、そこから偶然良い一枚が撮れればさらに前進するきっかけになるしと、思い切った変化は良い事ずくめだと改めて思いました。
それと同時に『標準』の重要性を噛みしめています。標準とはつまりホームポジションということになりますし、そこを軸にしていろんなアレンジや方向性を見つけるのだと改めて思いました。
今回記事にしたレンズはもう市場では使いつくされているくらいの代物なので、ゴリゴリに写真を撮るガチ勢の方には全く響かないテーマですが、選択肢が多い現代においてどこか立ち返るところがあってもいいのではないかと思っている訳です。
今回は写真をかなり多めにして記事を書きました。それに伴って色々な発見もありました。またここから、誰にも無い自分らしさを探して、いつかちゃんと誰かに届く表現ができるようになってみたいなと思います。
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