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2023-10-12

PENTAX仕上がりイメージ『Gold』を愛機K-1とD-FA24-70/F2.8で撮ってみたら、とてもノスタルジックだった

 去る2023年6月15日、PENTAXブランドを展開するRicohイメージングから新たな仕上がりイメージ【gold】が、ファームウェアのアップデートとして公開されました。

 特徴としては、黄色を基調にして温もりを感じる暖かな絵作りをしてくれる仕上がりイメージになっています。写真の明るい部分(ハイライト)に黄色を広げて、影になる部分(シャドウ)は少し青が載る感じで、なんだか古びた写真みたいなノスタルジックな雰囲気に仕上がります。

 2021年12月7日に公開された【里び】は、彩度が低めでフィルムカメラのようなイメージに仕上げてくれていましたが、今回公開されたgoldは『撮った写真が年月と共に色味が乗った』と、言ったような感じです。ノスタルジックに仕上げてくれる両者ですが、最終的にな印象は随分違うものになりますね^^。

 多様なエモい仕上がり表現がSNSなどで展開されている昨今、流行りに振り回されず他人とはまた違う表現をしてみたいと考えている方にはとてもおススメできる仕上がりイメージです!^^。

◆仕上がりイメージ【gold】が映えるロケーションで実際に撮影

 早速撮影に移りたいと思うのですがその前に、自分的goldの印象はノスタルジックな雰囲気なのでそれをより引き立てたいと思い、カメラ側の設定で彩度とコントラストを一段下げ、キーを一段上げました。標準のままでも良い仕上がりなのですが、折角設定が弄れるのであれば自分らしい要素を入れるのも良いと思います^^。

●茅葺屋根と縁側のある風景

PENTAXgold
F5.6 SS1/500 ISO-100 -0.3EV 53㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 新潟市北区に拡がる湿地帯福島潟。そのそばに憩いの施設として開放されている茅葺屋根の古民家風建物【潟来亭(かたらいてい)】。四季を通して情緒溢れる風景を見せてくれるお気に入りの場所です^^。

 撮影したのは7月の中旬頃、咲いている花はカンゾウ類でしょうか。日が長い時期とは言え夕刻近くの太陽が傾く頃。夕方の雰囲気に季節の花が咲いている風景がとても印象的でした。

 この仕上がりイメージgoldはこんな時間帯が一番映えるように思います。

誰も居ない縁側に置かれた花

PENTAXgold
F4 SS1/500 ISO-100 -0.3EV 50㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 日中は普通に開放されているので、縁側に腰かけて一休みも自由にできます。たまに中で何かのイベントを開いている時もあります。

 そんな潟来亭の縁側は伸びやかに広がっているのでゆったり休めます。目の前には五頭連峰や二王子岳。その向こうには飯豊連峰の大日岳が見えます。

 そんな落ち着いた眺めの縁側の隅に摘まれた花が置かれていました。きっと誰かの楽しい思いでの一ページです。

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●日常や見慣れた風景を一瞬で深みのある作品に

PENTAXgold
F5.6 SS1/640 ISO-100 -0.3EV 24㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 何かと通る地域。いつも車の窓から眺めながら通り過ぎるだけの景色も、たまには足を止めて散策してみる。農道の奥には踏切。この線路は電車ではなく機関車が通る。特に抜け道にもならないこの道は地元の人でも限られた人しか通らないような場所。

 すごく見慣れた景色なのですが、こうやって改めて写真で切り取ってみると凄くエモい…。映画「少年時代」を彷彿とさせるような絵になりました。

PENTAXgold
F2.8 SS1/320 ISO-100 -0.3EV 70㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 たまの休日はカメラを持って気の向くまま散策。時々、「これが仕事にできたらなぁ…」なんて思ってしまいます。

 そんな日常の終わりの夕暮れ時、網戸に夏の使者が飛びついてきました。そっと近づいてカメラを構える。設定はさっきのまま、仕上がりイメージにgoldが選択されています。沈みゆく夕日を背景に子供の頃の記憶のような暖かな一枚に仕上がりました^^。

ブログタイトル、クロップオブライフを回収した気分

PENTAXgold
F2.8 SS1/2000 ISO-100 -0.3EV 70㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 あまり仕事ばかり一生懸命やっていると、夫婦で過ごす時間が非日常になってしまう。そう思うとたまに休日が合わさった時はどこにも行かないと言う選択肢は無くなるものです。特に目的を定めなくても、時間の許す限りはどこかへ向かって車を走らせます。

 そんな時もカメラは必ず携えています。今は気の向くままに撮っているだけでも、ひょっとしたら30年後にどれ程大切な一枚になるか分かりませんから。

 カメラがデジタル化してからというもの、写真もあくまでデータなので時と共に色褪せる事が無くなりました。こんな風に仕上がりイメージで作り込んでおくのも良いのかも知れません。30年後の自分に向けて。。。

◆縦構図はスマホ映え、背景に光を捉えて

 仕上がりイメージと構図ってあんまり関係無いと思うかもしれませんが、例えば縦構図の写真をシネマティックな仕上がりにするとそれはそれで良いのですが、折角映画のワンシーンを切り取ったような仕上がりなので横にワイドな構図の方が意図が伝わりやすいのです。

 同じような理由でノスタルジックな写真程横構図で撮っている方がそのイメージが伝わりやすいように思ったのですが、作品力を上げたいと思ったら縦構図も捨てがたいと言う事で良い感じになるように撮ってみました。

 余談ですが、縦写真をここまで頻繁に見かけるようになったのはスマホが普及してからですね。今やSNSの影響で動画も縦で撮る事が当たり前になりました。

●古めかしい雰囲気に新しい解像感

PENTAXgold
F2.8 SS1/160 ISO-100 -0.3EV 50㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 夕暮れの田んぼの稲穂。7月の終わりは夕方時間も長くて、仕事から帰宅してもまだ夕焼けを絡めた撮影が楽しめるので好きな時期です^^。goldは色温度高めの仕上がりなので夏の夕日の暖かさが再現できます。

PENTAXgold
F2.8 SS1/30 ISO-100 -1EV 70㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 スマホで写真を見る事が多くなった現代、画面いっぱいに使える縦構図は撮り手の伝えたい思いを一発で伝えるインパクトがあるように感じます。縦構図自体はシンプルな表現方法ですが、そこにまた一つ新しい要素を上手く組み込む事ができれば、懐かしくも新しい何かを作品にできるのかも知れません。

◆よりノスタルジックにするちょっとした小技

 初めてこのgoldを試した時にすぐに思いついた事があるんです。最初にこの仕上がりイメージが制作された意図とは違うかも知れませんが、ノスタルジックな雰囲気を感じたのでそれを更にストレートに表現したと思って敢えて【ピントを外す】事をしてみたのです。

●ピントを外して解像感を落とす

PENTAXgold
F2.8 SS1/100 ISO-100 -0.3EV 70㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 敢えてピントを外してみた一枚です。時々わざとピントを外して撮るひねくれ者なのですが、ぼんやりした描写が昔感を醸し出してイイ感じだと思うんです^^。

 かつてカメラは結構な贅沢品でした。田舎住みの自分からしたら車以上の贅沢だったかも知れません。インスタントカメラが登場してその贅沢をより手軽な物にしてはくれたのですが、写真その物の写りはさすがに本格的な一眼カメラには敵いませんでした。

 ですがその手軽さ故に爆発的に普及し、写真は身近なものになり、いつしか当たり前に見る撮る写真は解像感の低いものが多くなりました。昔懐かしい写真の雰囲気は、子供の頃沢山見たぼんやりした写りの写真だからこそなのかも知れませんね。

現代で見慣れない物でより昔感の強調

PENTAXgold
F2.8 SS1/160 ISO-100 -0.3EV 35㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 令和まで時代が進んだ現在、さすがに日常でリヤカーを見る事は多くないハズ…。そんな現代では見かけなくなった何かを被写体にして解像感を落として撮影すれば、いよいよイメージした昔懐かしい表現の写真が…と、思ったのですが自分的にも今一つな感じになってしまったように思います^^;。

 何はともあれやりたい事のイメージはこれで掴めました^^。昭和レトロの看板とかが貼り並んだ古い店舗兼住宅なんかを写し込むと、良い感じの絵になりそうです。

 カメラメーカーは日夜、高解像度のセンサーの開発に心血を注いでいるのに、ユーザーがそれを逆行した使い方をする切ない一幕となりましたが、フォトアートというジャンルが確立されている今、作品を作り込むには引き出しが多い方が表現の幅も広がって良いと思うのです。

 この仕上がりイメージを使いこなして、よりノスタルジックな一枚を収めれたらと考えています。

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