自分が住んでいる新潟には、全然メジャーではない隠れた秘境がそこかしこにあります。秘境天国、なんて言い方はチョット大げさかも知れませんが、下越エリアだけでも川内山塊や会越国境山群、ガンガラシバナなど上級者向けの山域がいくつもあります。
今回の記事で訪れたのは比較的難易度の低いポイント。ハイキング慣れしている方なら簡単に訪れる事ができるような場所に行きました^^。
場所の詳しい事は敢えて書かない事にしますが、このテの情報に明るい方はきっと見たらすぐにピンと来るかもしれません。
新潟にはこんなに美しい景色が暮らしの身近にある。そんな新潟ならではの魅力が伝わったらと思います^^。
目次
- ◆清流と広葉樹の森
- 深い谷
- ブナの森
- 谷の底
- ◆市民の水源地
- 枝沢の風景はありのままの自然
- 一体いつ、どこから?な、巨岩3
- 本流
- 不思議な水滴の付き方をした葉っぱ
- ◆神域の清流へ
- コケむす岩とシダの風景
- 自然の逞しさ伝わる
- ◆まとめ
YouTube動画にしました
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◆清流と広葉樹の森
ここは自分の一番のお気に入りの場所。風景写真の練習の為にも定期的に訪れている所です。
季節の風景がとても眩しくて、熊に猿、ヤマドリやカモシカなど野生動物も沢山生息しています。いずれ野生動物をテーマにまたじっくり散策したいと計画しているところです。
●深い谷
登山道の少し景色が開けた所、なかなかの見晴らしです。切り立った岩場がいかにも秘境感を醸し出してくれていますw。
このまま登山道を進み、途中道を外れて下の沢に向かって降りていきます。
ブナの森
このエリアはブナやナラを始めとした広葉樹の原生林が広がっています。ある年の秋に訪れた時には、森の中を散策しているとそこら中でドングリが落ちる音がして、自分の頭にも命中したりもしましたw。
沢山の鳥や獣、多様な植生、豊かな森です^^。
谷の底
ここが一番のお気に入り。尊敬する『新潟出身の写真家、天野尚先生』も生前訪れた場所です。先生が所有する超大判フィルムカメラの描写力には到底敵いませんが、世界を巡った先生が訪れただけあってとてもいい場所です。
訪れた日は崖の上から折れた若木が沢に向かって垂れていました。沢の容赦無い流れに打ち付けられながら揺れる様が、自然界のリアルを物語っているようです。
すぐ傍は滝になっていて、この流れはその滝の上に当たる場所なのですが、滝自体はちょっと見に行ける地形にはなっていないのが残念です^^;。沢装備を万全に整えれば行けるのかも知れませんが、取り付く足場も無い程の場所です。
ブナの森と清流。絵に描いたような清らかな自然風景。こんな風景がいつまでも残って欲しいと思います。
◆市民の水源地
新潟は『水の都』とも言われます。確かに改めて見てみると、新潟には大河川を始めとても水に恵まれていると思います。そのお陰で日本一の米どころとして今も語られます。
そんな水の都新潟には、市民の暮らしを支える水源地がいくつもあります。なるべく自然の地形のまま守られていて、涵養地として大切にされています
そんな新潟の財産とも言える水源の一つに訪れてみました。
実はこの景色はまだ入り口、車から見る事ができる風景です。この風景だけで場所にピント来る方もいると思います。
川自体は浅いのですが、幅が結構あるのに透明度が非常に高いです。雨が降ると濁るのですが、この透明度を取り戻すのにさほど時間はかかりません。
●枝沢の風景はありのままの自然
本流が別にあって、そこに流れ込む小さな沢の事を枝沢と言います。地図に載らないような小規模なものも多く、雨が降らないと沢にならない所もあったりします。
そんな小さな枝沢、大きな沢と違って結構頻繁に景色が変わったりします。去年まであった岩が無くなっているなんてザラですw。巨木が倒れていたと思ったら、次の季節にはもう無くなっていたり。この辺の魅力はなかなか気づいている人は少ないのでは?と思います^^。
そんな小さな枝沢の変わりゆく景色ばかり特集して記事にしても良さそうですw。
一体いつ、どこから?な、巨岩
かなり大きな岩が沢のど真ん中に鎮座しています。ご覧の通り水の流れだけでこの巨岩を運ぶ力はここにはありません。
一体いつ、どこから、どうやってここにたどり着いたのでしょう。気にしなければ気付きもしない巨岩ですが、こうやって思いを馳せると森の中はまるで小さな宇宙空間のようです。
●本流
フラフラ彷徨っているうちに天気が変わって雨が降ってきました。結構マトモに打たれましたw。
雨自体はすぐに止んだのですが、気温が結構高かったので森の中は一気にモヤがかかりました。特に川は雪解け水もあって非常に冷たく(この川は長いと7月頃まで雪解け水が流れ込む)気温差が激しいせいかモヤが立ち込めてきました。
因みに『霧』と『モヤ』の違いですが、1㎞先が見えなくなったら霧、見通せたらモヤで、100m先が見えなくなったら濃霧と定義するそうです。
折角ならもっと立ち込めてくれたら良かったのに~。。。
不思議な水滴の付き方をした葉っぱ
これは雨が降る前に見つけた足元の葉っぱの様子なのですが(植物の種類までは分からない)、まるでフチ取るように水滴が付いています。いや…水滴が染み出している…?こんなの初めて見ました。ここらに生えている草の葉はみんなこんな感じになっていました。不思議ですね~^^。
◆神域の清流へ
雨が降ってそのまま天気は崩れっぱなし。このまま帰るのも勿体ない気がしたので別の場所へ。
ここも密林が広がる山の麓なのですが、なんとコレで神社の敷地内なんです。山岳信仰に関わる神社ってこんな風に密林に囲まれた所にあったりもするのです。
●コケむす岩とシダの風景
神社とコケむす岩ってなんだか抒情的ですよね。先程までの場所と違ってコケの生え方がとても綺麗です。なんででしょう?他の植物がそこまで茂っていないからでしょうか。
曇り空から降り注ぐ放散された太陽光が、森やコケを優しく照らすので緑の空気に包まれているようです。
リズミカルに並んだ岩。奥には苔とシダを纏った倒木。神社の敷地内とはいえ、特に人の手が入っている訳ではないこの場所、先程までの所と違って雑多な雰囲気はありません。自然の力だけでこの風景が出来上がっているなんて、やっぱり自然って凄い!。
自然の逞しさ伝わる
沢に向かってせり出すようにいくつもの枝を伸ばす木。その向こうに見えるのは神社に向かう参道です。
この木と沢の風景がなんとも逞しさを感じてシャッターを切りました。緑に囲まれてはいるのですが、爽やかさ…と、言うより重量感がある感じと言いますか。
こういう風景って写真家を惹きつけてやまないですが、現場で感じた感動を切り取るのって難しいといつも感じるんです。それは気持ちが風景に圧倒されているだけで、自分の中のブレないものが無いって事だと思うんです。
感動する事はとても良い事なんですけどね^^。
◆まとめ
新潟は自然に恵まれた土地でありながら、あまりそれ自体が表に出る事はありません。長く新潟に住んでても知らない人は大勢います。
新潟県はよくPR下手と言われています。確かに、多様な魅力に溢れる新潟は逆に言うと『これぞ新潟!』みたいなのを推しづらいと言いますか。最終的に米が美味い!みたいな話で落ち着くのも、それが手っ取り早いからですし^^;。
この記事ではホントの『プチ秘境旅』でしかないのですが、記事や動画の閲覧が良かったら今後も県内を巡って、シリーズ化できたら良いなと思います^^。
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