一眼カメラの良い所はなんと言ってもレンズ交換。マウントさえ合えばたとえ20年以上前の物でも使用する事ができるのは、表現の幅を広げてくれてカメラ人生を充実させてくれますね^^。
自分が普段愛用しているカメラはPENTAX・K-1です。フルサイズ機でありながら比較的リーズナブルに購入できた事が所有している理由です。この機種は【Kマウント】という機構を採用しています。このKマウントにあうレンズなら、ずっと昔の物でも、APS-C用のレンズでも(ケラレますw)セットして使用する事ができます。
この記事ではそんなオールドレンズの魅力を自分が撮り散らかした作例と共にお話していきたいと思います。今回の記事で使用したのはこのレンズです。
目次
- ◆オールドレンズってどんな物?
- 交換レンズが安価に買える
- マウントは必ずチェックする
- マニュアルモードでしか使えない物もある
- ◆季節を越えて撮りためた写真たち
- 夏
- 冬
- 春
- ◆まとめ
◆オールドレンズってどんな物?
一言でオールドレンズと言っても、種類は色々です。完全にフィルム時代の物もあれば、デジタルカメラ黎明期の頃のナゾ(w)機能が付いた物まで。単純に言ってしまえば【前時代のレンズ】って感じです。今どきの高精細レンズと違ってゴーストやフレアが結構出たり、写りが不鮮明だったり、色がなんか紫がかっていたり、ハイライトがブワーっと広がったりと、実際に撮ってみると『いかにも昔の写真』みたいな写りになるのも特徴です。
近年ではそんな写りの写真がエモくて人気に火が付いた理由にもなっています。皮肉なもんで、当時は何とか高精細に鮮明に写そうとメーカーも開発努力したのでしょうが、今になってそれが持ち味の時代が来るなんてだれが想像できたでしょうw。
以下にいくつかポイントを纏めました。
●交換レンズが安価に買える
フラっと寄った新潟市内のジャンク屋でたまたまこの古いレンズを見つけました。確か値段は800円とかだったと思います。F2.8の明るいレンズがその値段で買えるのはもう単純に強みでしかないと自分は思います。中古品なのでアタリハズレは結構ありますので、購入前に必ずカビが生えてないか、レンズ自体が曇ってないか確認するようにします。
折角一眼カメラを持つならレンズ交換は楽しみたいですけど、マトモに買うのはおサイフが…って、自分のような方にもおススメです。
●マウントは必ずチェックする
同じメーカーでもフィルム時代のマウントとデジタルになってからのマウントが違ったりなんて事もあるので一概に昔の物が使えるとは限らない事もあります。自分が使っているPENTAXはフィルムの頃からマウントが変わらないのであまり気にする事はありませんが、それでもずっと昔のフィルム筐体のマウントがあるので要チェックです。
●マニュアルモードでしか使えない物もある
オールドレンズを使うにあたってコレ結構重要なのですが、なんせ昔のレンズなので現代の高性能なデジタル機構が使えない物があります。今回この記事で使用したレンズは正にそのタイプで、カメラ本体がレンズを認識する事ができないで、マニュアル撮影が原則になります。
- 絞りはレンズ側のダイヤルで調整するしかない
- オートフォーカスは当然使えない
- 撮影値を設定しても露出(撮れた時の写真の明るさ)は分からない
- 撮影データはシャッター速度とISO感度くらいしか残らない
マニュアル撮影に慣れていれば特段の不便は露出が分からないくらいでしょうか。必要以上に明るくなったり暗くなったりするので撮り直しが多いです^^;。慣れれば大体分かってくるようになります。
他にもカメラがレンズを認識できないので、デジタル側の補正関係はほぼ全て無効になるようですが、特段それで困った事は何も無いので気にしなくて良いと思います^^。デジタルが普及し始めた頃の物なら対応している物も多いようです。仕上がりイメージは適用されますが、場合によっては大げさに再現されます。
オールドレンズを本気で語ると、取り敢えず本が三冊くらい出来上がるのでこのくらいにしますがw作品としての表現の幅は間違いなく広がります。
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今回このレンズを使って去年の夏頃から少しずつ写真を撮り溜めていました。使い心地で言ったら当然、現代の高性能なレンズよりは断然使いにくいです。しょっちゅう露出ミスしますし^^;。
それでも昔を思い出すような柔らかな撮れ味と言いますか、新品当時はもっとシャッキリ写っていたのかな?なんて思ったりもしながら、思い思いにレンズを向けてみました。
マニュアルモードでしか絞りが動かないのでモードはそれオンリーで、仕上がりイメージやWBは基本オートです。気分に合わせてWBだけ弄ったりもしてみました
●夏
朝から降っていた雨は昼過ぎに止み、盛夏の只中の稲穂が所々葉先で水滴を遊ばせていました。
飛行機雲。あそこを通った人は、ここに自分がいて空を眺めていた事を知らない。
港
ある日立ち寄った港街の吹き流し。この時期は午後になると北西の風がよく吹きます。ここは子供頃自転車でよく来た所ですが、今も変わらずこの場所のままです。
逆光の中にいると、景色が飛んで現実感が無くなります。そんなところが余計にノスタルジックなのかも知れません。
あぁ、すっかり帰りが遅くなってしまった。
●冬
冬はツライ。何がツライって、通勤や仕事はやりにくいし暖房費はかかるしチョット出かけるのも一苦労だし。でもきっと、一年で一番きれいな季節。
町
少し天候が落ち着いた。街に来た。自分の住んでいる所とは随分違う足元。
ガラス張りのビルの隅、ガラス越しに映るガラスの向こう。多重露光みたいにして世界が重なる。
誰も居ないイートインスペース。
誰も居ない回廊。
雪の街がガラスの向こうに広がっていました。
逆光
人が眩しいものに惹かれるのはいつもの事。
●春
気が付いたら梅が咲いていた。気が付いたら季節が過ぎていても、気が付けるだけまだマシ。
庭
光を撮ったとしても、別に写真は光ってはいない。なのに眩しく感じるのはなぜだろうか。
気が付けているのではなく、気が付かせてもらっているのかも知れない。
神社
花手水。神社からのおもてなし。
風が聞こえる。
さぁ、隠れてないでコッチへおいで。一緒に遊ぼう^^
◆まとめ
古い物でも大事に使う。これはいつの時代も忘れたくないものだなと、このレンズを使いながら思いました。
現代の高性能な物って、カメラでも車でもテレビでもそうなんですが、色々付いているが故に『壊れるともうタチが悪い造りになっている物』ばっかりだと思うんです。物、特に実用する物は徹底的にシンプルな構造になっている方が丈夫で長持ちしますし、壊れた時の修理もカンタンな物が多いです。
今回使用したレンズはもう40年以上前のものですが、現代のフルサイズデジタル一眼に装着してもこれだけ写真が撮れます。しかもなかなか良くないですか?。確かにこれでカメラマンがお客さんを撮る…なんて事は難しいでしょうが(依頼内容によってはアリかも?)、作品作りという観点から見たらむしろ今後定着していく分野なのではとさえ思います。
どことなく不鮮明な写りに、今となっては独特のボケ味。フレアにゴーストはもっと上手く使えるようになれたら良いなと思いました。
今回の撮影では、カメラ側で色温度を設定した以外は特に弄りませんでした。持ち味を生かすためにはレタッチはしない方が良い事もあるでしょうし、もう一つ表現を強調したいと調整をするのも全然アリだと思います^^。
かつてレンズは資産なんて言われていた時代もあったようですが、どうやらレンズその物の金銭的な意味の資産ではなく、唯一無二の感性を伝える道具という意味の資産としての価値になっていきそうです。
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