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2022-03-21

ILFORD・XP2super400を試してみた!・その日に現像できる白黒フィルム写真でノスタルジックな世界感を作例付きで

 デジタルカメラの時代にフィルムカメラを使い、SNS映えするビビッドな高彩度写真の時代に白黒を選ぶ。別に反骨精神とかそういうのじゃないんですよ~^^;

 今回はいつも使っているフィルムカメラのOLYMPUS・OM-1で、以前から気になっていた『イルフォードXP2』という白黒フィルムを試してみました。フィルムカメラで白黒写真なんて、想像するだけでもノスタルジックな感じがしますが、実際に現像してみて『コレはなかなかに味のある写真になるな』と非常に気に入りました^^。費用的なモノはフィルム代が36枚撮りで1,300円、現像とCD起こしで1,342円といった感じでした。

 デジカメの白黒写真とは随分違う趣に改めて『写真に残すという事』を考える体験になりました。

撮影の様子を動画にまとめてあります

目次

◆イルフォードXP2、『その日に現像できる白黒写真』ってどういう事?

 最近になってフィルムカメラをいじり始めた人にはいまいちピンとこないこの『その日に現像できる…』と、いうフレーズ。そもそもフィルムって基本的にその日に現像できるんじゃないの?と、思われるかも知れません。

●本来の白黒フィルムは現像方法が違う

 その日に現像できるフィルムは『カラーネガフィルム』という種類で、インスタントカメラにも使われている一番メジャーで安価なフィルムなのです。それと異なり白黒フィルムは、現像工程や薬液がネガフィルムと少々異なるのです。その為現像をお願いしたお店によっては、更に設備の整った所に外注したりするので尚更時間がかかったりします。

●カラーネガと同じ方法で現像するからその日にできる

 今回使用したこのイルフォードXP2は、白黒写真でありながらカラーネガフィルムと同じ方法で現像する事でその日に写真が見れるようにしたものなのです。

 『色は白黒なのにカラーと同じ現像?』って、なんだか訳分からなくなりそうですが、『白と黒という色しかないカラー写真』と言う事になります。なんだかインチキっぽく聞こえてしまいますが、白も黒も立派な色です^^。

 そして何より実際に使ってみるとよく分かるのは、これはこれの良さがあってむしろこれにしかできない表現になっていました!早速ご覧ください!。

◆ノスタルジックな白黒写真の世界

 白黒写真と言えば『昔の写真』といったイメージがあると思います。現存する大昔の写真とかは基本的に白黒写真ですから、そのイメージによるものかも知れません。

 それもあってか現代風景の写真でも、単純に白黒で撮っただけで昔っぽく仕上がるのは人間の感覚の不思議なトコロですね^^。そこに輪をかけてフィルムカメラで撮影したら尚更昔の写真っぽくなりました!

F2.8 SS1/125 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

 新潟市中央区にあるいくとぴあ食花の食育花育センターで撮影しました。ここはよく試し撮りに来る所です。

 50㎜の単焦点レンズで撮った一枚。この花は黄色なのですが、単焦点の柔らかいボケ味も相まってすごく昔の写真っぽくなりました。

F1.8 SS1/250 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

 アトリウムに展示されている花びらを浮かべた『かめ』(何と呼ぶものかはチョット分かりません)。とてもカラフルで綺麗ですが、こうやって白黒で撮っても色の濃淡が伝わってきて、でもどこか物静かになっています。

F1.8 SS1/250 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

 コチラはポインセチア。鮮やかな赤が印象的なクリスマスの定番の観葉植物ですね。赤ってかなり濃い色なので、白黒でもその存在感が際立っています。

 『色が無くても色を感じる』。人間の脳は記憶の中から自動的に色を思い出して感覚の中で補正をかけると言われています。色を感じる事ができる白黒写真は良い白黒写真かも知れません。

F2.8 SS1/250 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

●よく見ると白黒じゃない?

 すでにお気付きかと思われますが、『なんか微妙に白黒じゃなくね?』

 そうなんです、『純然たる白黒』かと聞かれれば答えはノーです^^;。

 なんだか若干緑色が被って『PENTAXの銀残し』みたいな仕上がりになっています。これは多分ですが、カラーネガと同じ方法で現像するこのフィルムのベースにあるのはカラー写真で、そのカラー写真から色が出ないように何らかの調整がなされている為、完全な白黒になっていないのではと思います。この辺チョット色々調べたのですが、詳しい事は分かりませんでしたスミマセン^^;。

 ただ、この副作用的な効果が余計に写真の古めかしさを演出してくれて、よりノスタルジックな印象を与えてくれます。

 そういえば何かで見た昭和初期の写真って、ほんとの白と黒だけと言うよりは、こんな感じになんだか別の色が被っていたような気がします。

●シンプルな風景程懐かしさを再現できるかも?

 この辺は完全に個人の感覚ではあるのですが、なるべく風景に『要素』的なものが無い方が懐かしい感じの雰囲気を再現できる気がします。

 今ほど写真が手軽じゃなかった頃は、一枚一枚を大事に撮ってもどうしても物足りない写真があったものです。でも時代が進んで後から見返すとなんだかそんな写真の方が懐かしい感じがして、当時の空気感を思い出せるな…なんて思います。

F11 SS1/125 35㎜ OLYMPUS・OM-1 S・ZUIKO35-70

 桜の咲く前のなんとも寂しい感じの風景ですが、撮影した時って『なんかいい感じなだなぁ…』って思って撮った訳です。記念写真と違って自分の気持ちが一番優先されている瞬間なので、時間が経って見返すとその時の自分の気持ちを思い出して懐かしくなるのかも知れません。

F5.6 SS1/1000 35㎜ OLYMPUS・OM-1 S・ZUIKO35-70

 そもそもモノクロ写真の時点で『色』という強大な要素が殆ど無くなっているので、それだけでもノスタルジックな感じがしますね。そこに更に枯れた風景や物悲しい風景など、ちょっとマイナーキーなイメージで撮るとより世界観に深みを持たせられます^^。

F8 SS1/500 35㎜ OLYMPUS・OM-1 S・ZUIKO35-70

 そんな風に考えて神社の正面を撮影しました。白黒で撮ると凄い雰囲気が出ます^^。いかにも昔の写真って感じがしますね。

カラーで撮るとイマイチでも、白黒で撮ると深みが増す

 例えばこの風景がお祭りのワンシーンとか、桜満開春爛漫とかならカラーで撮るといわゆるバエ写真が撮れるのかも知れませんが、人が居ない少し寂しい感じの時はあえて白黒を選択するのはおススメです。

 特にデジカメの白黒と違ってフィルムの白黒は温度感が出るので、デジカメで物足りなさを感じてる人はこのフィルムはお手軽なのでおススメです^^。

F4 SS1/1000 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

◆令和の街の風景を一気に昭和や大正の雰囲気に

 白黒の魅力は何といってもノスタルジックなトコロ。フィルムで撮影するとデジカメよりもより回顧感が増すと思います。明らかに先日撮影した令和の風景なのですが、タイムスリップ感が出て面白かったです。

●町のスナップ

F11 SS1/1000 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZYUKO50

 現役バリバリの在来線が走り抜ける瞬間のスナップ。ブラブラ歩いていたらたまたま向こうからやってきたのでラッキーなスナップでした。

F11 SS1/1000 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

 新潟ではまだ桜の咲く頃も遠い二月の終わり、名所の風景はまだまだ静かなものでした。

 空に向かって目いっぱい広がった枝が満開に咲き誇る時を思って。

F22 SS1/1000 35㎜ OLYMPUS・OM-1 S・ZUIKO35-70

 太陽の光に手を伸ばすように。かつてあった激動の時代。当時の人々の思いもこんな風に手を伸ばすようなものだったのでしょうか。

●工事の風景がより『当時感』を引き立てる

F11 SS1/500 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

 令和4年3月時点で工事中の新潟駅北口の風景です。工事現場をこのフィルムで撮るとまるで『高度経済成長期』のような雰囲気になりますねw。なんでしょう、カッチリした白黒で撮るよりも、こうやって若干色かぶりしている方がより当時感がでますね。パッと見せただけでは分からないくらいかもしれません。

F8 SS1/1000 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

 駅前に新しくできるホテルの建設風景です。そびえ立つクレーンを見上げる風景がなんとも昭和感が出ているように思います。

●本当に古い風景

F5.6 SS1/1000 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

 町の一角にある古い飲み屋街の風景。相変わらず凄い所です。

F8 SS1/500 35㎜ OLYMPUS・OM-1 S・ZUIKO35-70

 辞世の影響で飲食店は受難の時代です。

F5.6 SS125 35㎜ OLYMPUS・OM-1 S・ZUIKO35-70

 最近まで看板があった所。この日訪れた時にはすでに息遣いは感じられませんでした。

◆妙技、あえてピントを外して撮影する

 写真誌などでも時々テクニックの一環として使われる撮影方法として、わざとピントを外して撮る事で雰囲気を作る写真があります。以前新潟市内で個展を開かれていた作家さんもおられたくらい面白い技法です。

F4 SS1/1000 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

 大きく張られた高層ビルの窓辺に腰掛ける人達と、眼下に広がる新潟市の風景。

 完全にボカシきっているので多少人物が写っていても大丈夫です。

F4 SS1/1000 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

 ボカす事で街の風景がより『当時感』を醸し出します。不鮮明な事で見る人の感覚の奥を刺激するように感じます。

F4 SS1/1000 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

 これはあえて手前の樽の置物にピント合わせて、それより向こう側全てをボカシました。

 『30年前の新潟駅前通りだよw』って言って見せてもすぐには分からないかも知れませんw

 古い写真は不鮮明な物も多かった事でしょう。ずっと昔とかになるとカメラはとんでもない高級品だったので逆に鮮明な白黒写真が多かったりしますが。昭和~平成にかけてインスタントカメラが普及すると若干暗めの不鮮明な写真を多く目にするようになりますが、その雰囲気を再現するのに良い技法かも知れませんね^^。

◆白黒フィルムで撮る光と影

 色が白と黒しかない分、光と影の存在感が際立ってくるので、そういった点も意識して撮影してみました。

F4 SS1/1000 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

 西日が傾いてきました。街路樹の影が長く伸びていきます。

F5.6 SS1/500 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

 おやつの時間も過ぎる頃の新潟駅構内は人もまばらで、案外落ち着いていました。

F11 SS1/1000 50㎜ OLYMPUS・OM-1 F・ZUIKO50

 買い物を終えた帰りの親子が、何やら楽しそうに話しています。

◆撮り終えてみて

 いかがでしたか?今回は試し撮りがメインだったので色々撮り散らかしましたが、この記事をご覧になっているあなたが撮りたいテーマに合わせてみて、仕上がりのイメージが着いたでしょうか。

 カラー写真などまだ無く、フィルムカメラでの撮影もまだまだ貴重だった頃、家族でも風景でも残したい瞬間が沢山あったはず。今はスマホ一つでいくらでも好きなだけ撮り直して残せる時代になりましたが、こうやって敢えて不便を体感する事でどれだけ恵まれた時代になった事なんだろうと思います。いくらでも『撮り直し』が効くからこそ、これからはより一枚を残す事を意識したいと思いました。

 『面白そうな事はまず試してみたい!』的な精神で使ってみた今回の白黒フィルム。すぐに現像できるし、独特の表現ができるし、とても楽しかったです!。フィルム自体の供給もそこそこ安定していますし、インスタントカメラもありますのでフィルムカメラ本体が無くても楽しめます^^。

 OM-1もだいぶ使い慣れてきたので、いよいよ次回からは『作品性』を意識してフィルム撮影をしてみたいと思います!。

今回の撮影場所周辺

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