今年はなんだか何にもできないまま呆気なく終わってしまった感じだ(まだ終わってない)。自分は若いので、一年という時間がそこまで早く流れるとは感じてない。断じて感じてない!!
そんなワケで今年自分が撮った写真をチラチラと振り返ってはいるのだが、やはり写真が上手い人(例えばSNSで人気の写真家さんとか、それこそガチプロとか)と比べりゃ、当然なんか変な写真ばかりになってしまっている。具体的に何がどう違和感を感じるのか、数回に渡って考察記事にしていこうと思う。
下手の横好きなのであまり他の人の参考になるかは分からないが、どうしたって一人でやっていると気付きにくい事もあると思う。自分もこの記事を書きながら、自分の写真を客観的に見ていきたいと思う。
◆写真の基本中の基本、構図
自分は写真の基本一丁目一番地を構図と考えている。撮り手が見た世界と、それを写真に撮った世界では画角とか、目線とか、距離感とか、結局肉眼で見たとおりには再現できない。まず最初に肉眼で見て感動するのだから、それを見たとおりに再現できるのが一番の理想なのだが。
●あらためて自分はどのような構図をよく使うのか
誰でも撮りためた自分の写真を見渡して『特に意識してないけど、よくこの構図で撮ってるな』と、思う事はないだろうか?自分は結構ある。自分の場合ナナメに構えた構図が多い。それは、自分という人間そのものが斜(ハス)に構えたひねくれものだからだw
新潟市中央区のある風景。まるでアニメのワンカットみたいな風景が結構お気に入りの場所。
イメージとしてはこんな感じ。階段に対しても、景色に対しても、斜めに構えて撮影している。
これなんかは分かり易く斜めに構えている。画角の広いレンズを使うと、こんな感じの構図が多くなりがち。
廊下が長いので、奥の景色を入れ込む事で奥行き感を出せていると思う。勿論真っ直ぐ正面から構えても良いのだが、自分はキザなのでやっぱりナナメに構えてしまうw。
どうしても写真は2Dなので、絵の中に何か比較するものが無いとサイズ感や立体感に欠けてしまう。それを無意識にどうにかしようとしている自分がいるのか…ってそれ、構図の話じゃなくて自分の意識の話じゃないか。。。
◆構図では『立体感』を目指したい
前項では自分が良く使っている構図の例を挙げた。あまり強く意識した事はなったが、やっぱり立体感を目指して構え方を決めているのが大半だった。そこで、どんな風に撮ったら立体感が再現できるのか自分なりに考え直してみた。
この写真を撮った時はレンガ積みの高さも伝えたくて、地面に座りながら見上げるような体制でカメラを構えて撮影した。この時使用したレンズは、APS-C用の広角レンズを、トリミング無しで使った。
サムネイルで見るとチョット分かりにくいが、大きい画面で開いてみると結構迫力ある立体感を再現できたかなと思う。こうやって見ると、やっぱり広角レンズで斜めに構えるのが一番手っ取り早く立体感を出せる構図なので、カメラ初心者はこの方法はおススメ。
●背景の入れ方を意識しての立体感
手前のレンガ積みの窓枠の中に、向こう側の景色がぼんやり写る。こんな風に望遠レンズを使って奥行き感を出すのが一番スタンダードだ。
この写真の場合、構図内の殆どを手前のレンガ壁で占めているので、奥の景色の情報が少なくて返って手前感が強調されている。
焦点距離のピントが合う範囲の真ん中らへんにピントを合わせてみた写真。奥に行くほど被写体の高さが増していく場所だった。手前に写っている植物が前ボケになってより奥行き感を出してくれている。
最近SNSなんかでも前ボケの写真をよく見るけど、昔と違って携帯カメラも被写界深度が出せるようになったから、こんな風にあえて構図の中に入れ込む事で、より目線的な立体感が再現できるようになった。実に良い時代だ!
上の写真は見上げる、斜めに構える、背景をボカす、更に手前もボカすと、いろんな要素を入れて構図を仕上げた一枚だ。我ながらこの場所の遺跡感をよく表現できたと思う。
◆正面から真っ直ぐ向き合う
実はこの被写体と真っ直ぐに向き合う構図って結構難しいと思っている。特にこの写真のように、所謂日の丸構図になると尚更(汗)なんだかどんな風に撮っても妙に周りが余るというか、背景を持て余す感じがしてなんかニガテっす…。
この写真はシカの表情や眼差しはよく撮れていると思う反面、もうちょっとトリミングなんかして背景を削れば良かったかな~なんて思った一枚。でもこの感じの撮り方ならきっと、動物園とかで結構生かせるのかなとも思う。
これは自分の中でも数少ない成功と思える一枚。今年生まれて、無事に巣立って行った子達だ。
三羽のヒナがそれぞれの角度で視線をくれているのと同時に、それぞれの個性みたいなものも表現できていると思う。野生の眼差しが伝わるだろうか…!
ツバメのヒナって、丁度これくらいの大きさになると分別もハッキリしてきて、毎日見ている家の人間だとそんなに警戒しなくなる。少し離れた所から望遠レンズを使った。大きな目玉みたいなレンズの前玉に小首をかしげるような姿が愛らしかった。
●正面切って撮るならパターン系構図が勉強になった
整然と並んだ物や、街中のタイルのパターンなど、こんな風に連続した形をフレームに収める構図って昔からあるけど、実際にやってみると実に奥が深い。チョット焦点距離が違うと綺麗に決まらない。
床面のタイルと天井の幾何学な構造が映える一枚になった。あえてモノクロで撮ってみたけど、カラーよりもしっくりくる感じに出来たと思う。スタンダードで撮ったら返って味気ない一枚になったかも知れない。
この一枚を撮って見た時に、改めてカメラを真っ直ぐ構えるって凄く大事なんだな~…って、思った。正面から真っ直ぐ構えるだけで奥行き感がしっかり表現出来る事が分かった。
これもパターン系の一枚。でも整然と並んでいるというよりは、不規則な感じが結構お気に入り。でも木にしてはかなり綺麗に並んでいる場所。こんな風に天然素材でも、探してみると結構ビッシリとパターンみたいになっている所があるのはチョットした発見だった。
◆ニガテだった縦構図、少しは克服できた気がする
縦構図は非常にシンプルに作れる構図だけど(カメラを縦に構えるだけなので)、上手く決まればメチャクチャダイナミックに写真が撮れる。分かっちゃいるけど、なんとなくニガテ意識がずっとあった。今まではそれでもよかったんだけど、時代はスマホ…スマホ画面は写真で言うところの縦構図がキホンだ。だからSNSなんかで写真を見せたい時は、やっぱり縦構図が一番映えるんだ(汗)そんなワケで近頃は意識して撮るようにしている。
PCの画面は基本的に横ワイドなので、縦構図の写真が凄く見づらいwだからこそニガテな感じがするのかな?実のところ、なぜニガテと感じるのかは自分でもよく分からない。
万代橋の明かりが信濃川の水面に伸びるように写り込んでいるのが印象的だった一枚。縦構図に対して手前と奥を意識して撮れたと思う。これは我ながら良い縦構図が撮れたと思う。
●手前、奥、上と下、縦の範囲をダイナミックに
完全に手前を意識したパターン。どこまでも続くオニバスの葉が、まるでこの水辺の支配者のように見せられた…かなw見た目の割に小さな毒々しい花を咲かせるなんとも奇妙な植物だ。
このどこまでも続く感は縦構図の方が都合が良いと発見できた。しかしこれは、あんまり大胆に構図内に場所取りをすると、余計な情報が多くて引き算の写真が出来ていないと言われそうw
空を見上げた一枚。こういう角度で撮る時、むしろ縦構図の方が目で見ている感じが表現できている気がする。こんな角度でこんな構図で、それをモノクロで撮るとなんだか懐古写真みたいになって自分は結構好きだ。見る人によっては、あんまり伝わらない感じもするが、自分なりの成長がコレを撮れるようにしてくれた。
●意識していた縦構図、ニガテが克服できた瞬間
この一枚はここ数年で自分の中で一番バチっとくる作品になった。光、影、色、配置、どれをとっても撮りたかったイメージ通りに取れた一枚だった。
これは縦構図だったからこそ綺麗に決まったと思う。これを横で撮っていたら…現像すらしなかったと思うw。広角レンズで足元から、下山方向に向かって導線が見えて、真ん中に鎮座する樹木の堂々とした姿が登山者に語り掛けてくるような一枚にできた。
こういうのって、上手い人が見れば全然大した事ない物なんだろうが、大事な事はまず自分の中でイメージした理想を超えてきたか…が、重要だと思っている。『こんな感じで撮りたい』を自分の中で何度も越えていくと、必ず納得のいく一枚に辿り着く事を自分自身に証明できた一枚だった。
◆自分でもちゃんと分かる自分の写真の失敗
とりあえずRAWファイルから現像だけはしてみたものの、なんとなく『これ展開しなくても良かったかな…』なんて写真が結構ある。こういうのって、現像する瞬間は『これも良いな!』と思っても、次の日とか、ある程度時間が経ってから見ると『やっぱりなんか微妙だな…』って写真で、まるで翌朝見る夕べのラブレターみたいな感じで不思議だ(ラブレター書いた事無いや…)。
そんなワケで改めてフォルダの中をほじくってみたら、出るは出るは微妙な写真。まぁ、普段から微妙な写真が多いかw
●目的を見失っているorそもそも無い
写真は引き算、口が酸っぱくなる程言われてきた話。撮る瞬間は『なんか良い!』と、思ってシャッターを切るのだが、何が良いか分からないので結局微妙な写真になる事が殆ど。勿論、センスがビンビンに冴えている人ならその勢いで撮るからこそ作品になる事もあるけど。
パターン系の一枚を狙ったつもりが、そこに『自然に還る遺構』みたいなサブテーマっぽいものを詰め込んで、尚且つ陽が射しこむところを狙ったごちゃまぜの一枚。完全にゴールを見失った感じが自分でも分かる…。
これなんかは典型的なヤツ。要素を入れ込み過ぎて、さすがに自分でも何じゃコリャな感じw。でもフイルムの時代と違ってバンバン撮ってみて、その中から選べるので、失敗を恐れずにこんな写真も撮ってみる。
これはチョット惜しいというか、悪くはないハズなんだけど、やっぱり良くないかな~…と、言った感じの一枚。主題は赤の落ち葉のつもりだったんだけど、意外と色がそれっぽくなくて、結果微妙になってしまった例かな。背景に意識が飛び過ぎて、主題を見失ったのかもw。
●主役主題は明確に!構図の基本だけど、一番見失いがち
広い景色に感動してその勢いで撮っては見るんだけど、見返すと結局そんなに感動しない事って結構あると思う。答えは簡単、景色の中の何に感動したかが示されていないから。それが空なのか、草原なのか、山なのか、花なのか…写真のフレームはどうしても決まったサイズ、全部入れちゃうと結局全部しぼんでしまう。
感動した事があるなら、そのポイントを絞り込んで、時には思いっきり切り取ってしまうのが潔いし、結果的にキレイな一枚に仕上がってくれる。
朝露を纏った小さな花、自然界はこんな小さな感動で溢れている。この一枚は思い切ってスクウェアで切り取った。
写っている範囲はかなり広いが、東洋一の雪庇がこの写真の主役。その雄大さがちゃんと理想通りに撮れた一枚だと思う。だからこの写真はいつ見ても、あの日あの時感じた気持ちが蘇ってくる。
対象が大きい時はもう思い切って可能な限りフレームに収めるようにしている。きっとこの雪庇の写真を撮るなら、頂上付近の一番形が綺麗な所を押さえるのが普通なんだとおもう。これもまた、大体な切り取り方の一つだと思う。
◆自分の写真の構図を振り返って分かった事
写真の基本は構図、コレは間違いないと自分は思う。どんなに良い被写体に恵まれても、どんなに良い瞬間に恵まれても、切り取ったその形がキマらないと、折角の写真も光らない。
そして構図はクセになりやすい事が分かった。沢山撮りためている写真をザっと見返しても、同じ角度で撮っている写真の多い事…、コレはイカン!意識してもっと多角的に見れるようにしなければ!それを踏まえていくつか反省点を出してみた。
・角度がいつも同じ!もっと別の角度から見る
・切り取る目的を意識する
・主役は何?そこがボケるとどんなによく撮れても意味が無い
・寄るも引くも良さはある!あまりこだわらず自然体で
・切り取る範囲は結構大きい!ファインダーの四隅までしっかり見る
・背景は被写体のストーリー、入れるなら配置に気を付ける!
・カメラはしっかり真っ直ぐ構える!でないと折角の構図が生きてこない!
異常が今の自分の反省点!結構多いな…。折角よいカメラを持っているので、やっぱりよい写真を撮りたい。その為にはやっぱり基本に忠実に、それでいて柔軟に考えていければきっと今より良い写真が撮れるようになる。
これからはもっと構図を意識していこう、折角このブログのタイトルがCROP OF LIEFなんだからね♪