都会では新型コロナウィルスの影響で外出自粛要請が広く出ている。折角の花見シーズンも、シートを広げて飲み食いしながら楽しく…とは、いかないようだ。
新潟県でも所謂『3密』を避けるように要請が出ている。同じ個所に留まらずに、歩いて眺める分には問題無いとの事なので、愛機PENTAX K-1といくつかレンズを抱えて行ってみた。
◆桜は期待通りの満開だった
新潟市中央区鳥屋野のにある『鳥屋野潟公園』。広い無料の駐車場も完備されていてアクセスはバッチリ。当日は朝から行ったのだが、思いの外多くの人が訪れていた。チョットしたお祭り気分になってきた。
駐車場に車を止めて中央広場を抜けていくと、潟に沿って整備された外周路に出る。ここはジョギングしている人が多い所だ。潟に向かって枝を伸ばした桜が出迎えてくれた。
日当たりの良い下枝の部分では、葉桜のようになっているものもあった。チョット空模様が良くない、もっと早く出て来れば良かった。
この写真の背景には、既に広がるように桜が咲き乱れているのが分かる。これは凄そうだぞ!?
公園の奥に開けた所があって、きっとそこが凄いだろうといそいそと向かっていたら、バチバチと雨…じゃない、アラレだ!BB弾みたいに降ってくるので痛い!なんてツイてないんだ(汗)アラレの隙をついて広角レンズにチェンジ、さあて、ここからが本番だ!
●桜の魔力、写真が上手くなった気になる
自分は基本的に写真は上手くない。Twitterでよく投稿しているが、当然バズった事など一度も無いし、コレと言って褒められたりもしない。写真って、何を撮ったかよりも『誰が撮ったか』の方が重要な時もあって、その話はまた今度。そんな自分でも『アレ?チョット腕上げた?』と甚だしい勘違いを起こす程に満開の桜は魔力を持った被写体だ。多少適当に撮ってもそれらしい写真に仕上がってくれる!
透き通るような桜の花びらをボーダーラインに、曇り空と青空のコントラストが背景になった。突然の雨アラレに打たれて残念な空模様になったが、コレはコレで一つ味のある作品に仕上がったと思う。
少し待っているだけで、雲はあっという間に過ぎ去って行ってくれた。それでも雲が多いのでパァっとは晴れてくれない。そんな冴えない絵でも、桜が満開だとそれだけでなんだか幻想的な雰囲気を醸し出してくれる。
逆光になったので露出補正はマイナス調整にしてみたが、逆にプラスにすれば桜の足元がもっと明るく見やすくなったのかな?露出と絞りは永遠に答えが出そうにない。
●足し算の写真、広角レンズで桜のある風景を丸々入れ込む!
広角レンズって、その呼び名から『広い景色を撮る物』と捉えられがちだが、自分の考えは少し違う。写真は引き算、と言う基本があるが、自分にとって広角レンズは『被写体に寄りきって、その背景を映し出す物』と考える。背景とは、景色の事であり、被写体が持っている『物語』の事でもある。
雨が上がって人通りが戻ってきた。広場を囲むように咲き乱れる桜達が、公園を訪れる人々と共に春を歌っているようだ。そんな桜の木々に沢山の要素を入れ込む事で『桜のある風景』が完成すると思っている。
日が射してくるとより桜の色が際立つ。被写体にシッカリ近付けるので、メインの桜そのものの解像度も上げられるし、『物語としての背景』を入れられるので広角レンズは面白い。
絞りは凄く迷いながら撮っていたのだが、露出はプラス補正だし、現場は雲が出て暗かったし、あんまりF11とかF14とかまでは絞らなかった。むしろ普段が絞り過ぎるクセがあるので、このくらいが丁度いいのかも知れない。
◆望遠レンズで桜だけの魅力を
いつもつかう望遠レンズ、SIGUMA APO50-500。標準域から望遠までカバーしているので使い勝手が良い(重量とサイズはご愛嬌)最高の相棒だ。PENTAX用のKマウント仕様はコレを買った時に終売になった上に、SIGUMAさんはもうKマウントレンズを作らないそうなので実にいいタイミングでの購入だった。PENTAXには500㎜クラスの望遠が無いので、貴重な一本だ。こうしてPENTAXブランドは衰退していくのだろうかトホホ……。
太陽の当たり方で捉えた色が随分違うな…これは一体どういう事だってばよ…。因みにホントに彩度などは弄っていない。しいて言えばシャープネスは現像時に補正した。『写真とは、光を捉えるもの』とはよく言ったものだ。
縦構図はよりダイナミックになる。向こうの花と手前の花の色が違うように感じるが、現場では気付かなかった。やっぱり太陽光の加減なのだろうか?
●花はピント範囲のお尻いっぱいで撮りたい
桜は、花の中央が赤く熟してくると散り時が近いサイン。新潟の春は気温が乱高下するが、今年は特にヒドイのでどこまで咲いていてくれるのか。。。
桜の花の様子がよく分かる一枚。被写体に近づいて、更にズームして、ピントは一番手前の所まで回した状態で、立ち位置だけで合わせるようにすると背景のボケみが柔らかくできる。
結構絞りを効かせて撮ったが、ピントリングを一番お尻まで回してあるので、背景にある物の輪郭をほんのり残しつつやんわりボカした仕上がりになった。
背景をボカして被写体を強調する一眼レフの基本の撮り方。F値の高い(解放F値2.8とか)標準フルサイズ用レンズが欲しい。解放F値が高ければ(高いというのか?)背景のボケみは柔らかくなる。柔らかいボケみはより被写体を強調するし、背景はボカしても色は残るので雰囲気の良い写真に仕上がるのだ。
高い枝の桜の間からこぼれてくる光で、桜の花びらを透かしてみた。こんなに色鮮やかなのに、こんなに透き通るなんて。だから太陽の当たり方で色があんあに違うのだろうか。身近な花なのに、まだまだ知らない事が沢山あるようだ。
◆人々と共にある桜
感染症騒ぎが無ければ、きっともっと沢山の人達と共に春を歌った事だろう。
●春の花も共に
チューリップは新潟県の県花だ。石段の傍にはヒメオドリコソウが気持ちよさそうに太陽を浴びていた。
そばに建っていた銅像にはマスクがかけられていた。啓発の為だ。花達はこんなにも春を謳歌しているのに。
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