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2021-06-02

『放置された自然』新緑の沢歩きでネイチャーフォトを磨いていく

 つい先日まで桜の話題をしていたと思ったら、アッと言う間に田植えを終えて、山菜の時期もとっくに過ぎてしまって、山には眩しいばかりの緑が盛大に広がっています。なんだか時が過ぎるのが年々早く感じるようになった今日この頃、初夏の陽気に誘われてカメラ片手に沢そばを歩いてきました^^。

 自分は基本的に人があまりいないような所を好んで入り込むので道は整備されていないですし、場所によってはただただ藪が茂っているだけの風景の所も多いのですが、そんな『放置された自然』がたまらなく好きなんですよ。

 ネイチャーフォトと言えばもっと雄大な景色や、壮絶な自然現象を捉える事が多いと思うのですが、放置された自然もどうしてなかなか美しいものがあるのです^^。

 そんな放置された自然の風景を自分の視点を持って見てみれば、他とは違ったニュアンスの風景写真が撮れるのです。景勝地と違って人目に触れない自然風景、光と影の中に自分だけの世界が広がっています。

 この時の森歩きの動画もありますので、良かったら眺めていって下さい^^。水中撮影もあります。

◆ありのままの緑が映える◆

  人の手が入らない場所なので、当然緑たちは自然のルールと自分達の力で枝を伸ばし葉を広げています。

F4.5 SS1/100 ISO-100 0EV 50㎜ PENTAX.K-1 SIGUMA.APO50-500

 公園の木々と違って折り重なるようにして空に向かって枝葉を伸ばす木々の間から、木漏れ日が眩しい一日の始まりでした^^。

F2.8 SS1/125 ISO-100 -0.7EV RicohGRⅢ

 清流の風景がとても良い所です。こんな感じの沢を登っていきます。

 このシチュエーション、本当はNDフィルターとかあった方が良かったのですが、あいにく画質が荒くなる手作りの物しかなくて^^;。

高価でとても買えないでも欲しい…NDフィルターを自作してみた。 – Crop-of-Life ←作ってみた時の記事

 今回は単純に撮影するだけになってしまいました(汗)。改めてちょっともったいなかったなと思います。試すだけ試してみても良かったですね。

●小さな視点が世界を広げる

F5 SS1/320 ISO-200 -0.7EV RicohGRⅢ

 岩に瑞々しい苔がビッシリ生えています。長かった冬が終わって、太陽に向かって手を伸ばすように葉を茂らせている草花が活き活きとしています。

 山や森で写真を撮る時、風景写真なので広くて壮大な風景に目を奪われがちですが、実は足元こそ本当の良さがあったりするものです。

F2.8 SS1/125 ISO-100 -0.3EV RicohGRⅢ

 コンデジのGR3で撮っても良い感じになりますね。沢に光が射している時に背景を大胆にボカすと、水面に反射する光がより強調されるようで良いですね^^。

 こんな風に山歩き森歩きをしょっちゅうしているのですが、意外と草花の名前を知らないな~と自分で思います。正直毒にも薬にもならない植物の知識は後回しにしてしまっていますね^^;。折角なんで今度時間を作ってじっくり勉強してみたいです。

◆森のコントラスト◆

F5.6 SS1/80 ISO-100 -1EV 140㎜ PENTAX.K-1 SIGUMA.APO50-500 銀残し

 愛機PENTAX.K-1には、仕上がりイメージに『銀残し』というモードがあります。この銀残し、木漏れ日の深い森で使うとかなり雰囲気を付けてくれます。

 コントラストを強調して仕上げてくれるので、木漏れ日なんかを見つけたら積極的に使ってみると、自分が思っているよりもずっと雰囲気よく仕上げてくれます。

F4.5 SS1/200 ISO-100 -1EV 75㎜ PENTAX.K-1 SIGUMA.APO50-500 銀残し

 杉林の中に生えているシダ植物。沢がある深い森の木漏れ日のシダ類は、自分的にはかなりツボシチュエーションですね^^。

森写真のススメ、景勝地には無い自分だけの風景 – Crop-of-Life

 少し前に投稿した記事ではこの木漏れ日のシダがとても綺麗だったので是非眺めていってほしいです。

●水の流れはより重厚感をもたせる

F3.5 SS1/200 ISO-100 -0.3EV RicohGRⅢ ブリーチバイパス

 コンデジのGR3での撮影、ブリーチバイパスは先ほどの銀残しと同じ意味です。GR3で撮ったものはより彩度が絞られて渋みが増しています。

 沢での写真はNDフィルターを使ってスローシャッターをする方が流動感のある写真に仕上がりますが、こんな感じで動きを止める事で重厚感のある空気を再現するのも良いと思います。

●林業と自然のコントラスト

F5.6 SS1/80 ISO-100 -1.3EV 93㎜ PENTAX.K-1 SIGUMA.APO50-500

 今回歩いていた森の中の一角に、杉の植林地帯があるのですが、車など到底入れるはずのない所でも時々間伐くらいなら行われるらしく、こんな風に切り株があったりします。

 杉の木は人が植えた物、切り株はいわば人工物。そんな杉の木の亡骸を、まるで弔うかのようにつる植物が覆う。ここに自分は林業(人)と自然のコントラストが見えました。

◆草木と水の世界◆

F5.6 SS1/500 ISO-100 -1EV 93㎜ PENTAX.K-1 SIGUMA.APO50-500

 聞こえるのはただ沢がコロコロと流れている音(あと、時々ヒヨドリが大騒ぎする声w)。どうすればこの爽やかな世界を写真で伝えられるだろうかと頭をひねる。いや、頭をひねっている時点できっと、上手く伝える事は出来ないのかも知れないです。

 なにもいじらなくても、まるでジオラマのようなポイントもあって、肩の力を抜いて景色を楽しんでいると自然と自分の感性に何かが呼び掛けてくるんです^^。

F2.8 SS1/125 ISO-100 -0.3EV RicohGRⅢ

 水が流れるど真ん中に草が生えていて草…なんつってw。在り方なんてホントはとっても自由なんですよね。今は色んな表現や感性に自由に触れられる良い時代です。

◆ネイチャーフォトを磨くなら、心(感性)を磨くのが良い◆

 絶景広がる景勝地でなくても、誰かの胸を打つ風景写真はきっと撮る事ができます。その為にはやっぱりその風景を『コレは良い…!美しい!』と感じる心(感性)が無ければならないと改めて感じました。それが無ければそもそも被写体を見つける事ができないという事ですね^^。

 例えば沢歩きをしていて足元に見つけた小さな花。それに何らかの感動を感じなければ、そもそもそこにある事すら気付かずに通り過ぎていく事でしょう。それでは人と違うオリジナルの写真は撮れないし、経験値も積めないでしょう。

 自分はまだまだ感性も、それを表現する技術も足りないです。自然と共に日常がある自分はきっと恵まれています。もっともっと磨いていきたいです^^

F5.6 SS1/50 ISO-100 -1.7EV 93㎜ PENTAX.K-1 SIGUMA.APO50-500

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