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2023-07-08

実は身近な和製フルーツ【クワの実】をそこら辺で採ってジャムにしてみた

 春の山菜シーズンが終わって、太陽の日差しも強くなる初夏の陽気。朝晩も過ごしやすい気温の日が続く6月の初めになると、春の山菜とはまた違った趣の【採りモノ】が増えていきます。

 天然のフルーツとかって言うと南国のイメージが強いですが、雪国新潟でも実は天然フルーツが里山周辺を始め身近に採集する事ができます。

 特に平野部と山々に恵まれた自分の地域では、平野部で最初の採集時期が始まるとシーズンが進むにつれて徐々に山奥の方へ移っていくので、採集を長く楽しめます。

 この記事ではそんな初夏の採りモノの中でも、一番手軽(で、あろう)【クワの実】について話していこうと思います。

◆クワの実とはどんな物なのか

天然の桑の実
山で自生していたマルベリー。この状態が完熟していて、爽やかな甘さでとても美味しい。

 クワの実はマルベリーとも呼ばれ、日本の身近なフルーツとして古くから親しまれています。かつて養蚕が盛んだった時代にクワの葉がカイコのエサになっていた歴史もあるようです。

 和種のヤマグワの他に西洋種のアメリカンマルベリーや、ホワイトマルベリーなんて品種もあります。一番身近なヤマグワの実は指先程の小さなものですが、西洋種はその三倍くらいある大きな実を付けます。

 クワ(桑)というこの植物自体は古代の日本に大陸から渡来したと言われています。厳密に言えば帰化植物になるのかもしれませんね。

 クワの木は雌雄異株で、実を付けるのは雌株です。雄株は実を付けません。そう言えば山椒も雌雄異株ですね。

●桑の木の探し方

 自分が住んでいる地域ではクワの木は、本当にそこら中で見かけます。中心街の大きな公園の隅や、海岸沿いの防風林でも割と当たり前のように見かけます。

カンタンに見つかる場所は田畑広がるような平場

天然の桑の木

 結論から言うと、一番見つけやすいのは平場です。田畑が広がるような所の端っこには大抵、林や藪がありますが、そんな所が一番見つけやすいです。ですがこういう所では、その木自体が個人の物だったりもするので注意が必要です。

 こういう所は早い時期に結実するので、見つける練習程度に探してみるのも良いと思います。

海岸沿いの防風林で見つかる事も

道路脇の桑の実

 ここは我が家からほど近い海岸沿いのサイクリングロードです。長い防風林帯を整備してキャンプ場や漁港、公園や田畑が広がっています。

 実はそんな防風林の中でも見つける事ができます。それも意外と多いです。こういう所って意外と盲点なのですが、タラノメやコシアブラなんかも見つかる事があります。自転車こぎながらちょこっとマルベリー摘みの休日なんて、素敵じゃないですか^^。

里山の麓の川沿い

自生する桑の木

 新潟は河川が多い地域なのですが、その川を辿って里山に近い所でもクワの木を沢山見つける事ができます。上の写真では少し分かりにくいですが、藪の先は大きな川になっています。こういう所は足元が悪いので、入る際は十分注意して下さい。

 理由はよく分かりませんが、山の中で探しても川沿いとかで見つける率は高いです。山菜類ではあるあるなのですが、がっちり森の中…よりは大体森の切れ目や和沿いにある事が多いです。

 ある程度山奥でも、登山口に向かう林道で見かける事も多いです。恐らくなのですが、林道のような所なら刈払いなどで整備される事もある為、他の植物との競争が緩和されるので発生しやすいのではと思います。こういう実を付ける系の低木は大体競争力弱いですから^^;。

●子供の頃は野遊びの一つだったクワの実摘み

 子供の頃からよく森や藪に入って遊んでいましたが、そんな野遊びの一環でこのクワの実を摘んでいた事もありました。大きな木を見つけるともの凄く沢山実が採れるので、それだけでも楽しかったのを覚えています。時期的に虫が凄いので木が蜘蛛の巣だらけでばっちぃ物も沢山ありましたが、そういった中からより綺麗でよりおいしい物を選んで摘み取るスキルは鍛え上げられたように思います^^w。

◆クワの実を摘み取ってみよう!

 こんな風に実はとっても身近にあるクワの実。上手く見つける事ができたら今度は、実際に摘んでみるとしますか^^。

●一本の木からとにかく沢山採れる!

天然の桑の実

 クワの実はこんな感じでなっています。初めて見る人は若干ギョッとするフォルムかも知れませんが、原種のままの木の実って大体こんな感じです。

 実が付くのはその年に新しく出た枝の部分です。木が大きくなる程この枝振りが大きく広がるので、その分沢山の実を付けます。黒い実が甘く熟して食べ頃の物です。赤いのはまだ熟していないのでとっても酸っぱいです!。

沢山実る天然の桑実る

 こんな感じで一本の木に沢山の実が付いています。特に今年は沢山の実を付けているように感じます。山菜に限らず魚なんかでもそうなのですが、いわゆる当たり年と言うものがありまして、肌感覚的に今年はクワの実の当たり年なんではないかと思います。今年はそう思うくらい至る所で実を付けているのを見かけます^^。

●良い物を選んで一つずつ摘まんで採る

天然の桑の実を摘み取る

 採り方としては、シンプルに熟したものを一つずつ摘まんで採る方法が一番無難です。写真のように手が切れな紫色になりますがw。

 天然で実っているものは結構クモの巣とかで汚れてしまっている物も多いので、綺麗な物を一つずつ選んで摘み取る感じが一番無難です。熟したクワの実は結構柔らかいのですが、サッと洗うだけで潰れてしまう物も多いです。ですのでクモの巣なんかで汚れているととても洗いにくいうえに、クモの巣は水洗いでは取れない事が殆どです。なのでなるべく綺麗なものを選ぶようにします。

 因みにこの木が開けた所に在る場合が有効なのですが、木の周りにシートを敷いて木を軽く揺すると実がポトポトと落ちてきます。いっぺんに収穫作業ができるのですが、熟してない物や白化して食べられなくなった物まで全部落ちてきます。ちょっと選別が大変ですが、効率よく収穫作業が行えます。

◆マルベリージャム、クワの実をジャムにしてみた

 そんなクワの実ことマルベリーですが、そのまま洗って食べるのも非常に甘くて美味しいのですが、コレをジャムにするとこれまたハイカラで美味しく頂けます^^。

天然の桑の実

●マルベリージャムの作り方

 作り方は簡単です。イチゴジャムをご家庭で作った事のある方はすぐに再現できると思います。

  1. 鍋にクワの実を入れる
  2. クワの実の量に対して大体1/5くらい入れる(甘さを加減してお好みでも可)
  3. 中火で汁気が出るまで煮詰める
  4. 実をほぐす
  5. レモン汁を入れる(色が鮮やかになる)
  6. 汁気が無くなるまで煮詰める(ユルさはお好みで仕上げる)

 最後に綺麗に洗った瓶などに入れれば完成です。賞味期限は、冷蔵庫に入れて一週間くらい見ても良いのではないでしょうか。砂糖は控えめの方がおススメです^^。

●パンやヨーグルトにおススメ!

天然の桑の実をジャムにしてパンに乗せる

 ジャムと言ったら取り敢えずパンでしょうか!。

 ジャムを作る際に本当は枝の部分も取り除くと良いのですが、今回はチョット取り除くのに失敗したのでそのままにしました^^;w。実際に食べてみると殆ど気にならないです!。裏ごししようと思ったのですが、なんだか汁だけになりそうだったのでこの辺はまた次回にでもw。

 赤いツブツブは種で、プチプチするだけで味や食感にはなんら影響は無いです^^。

天然の桑の実をジャムにしてヨーグルトに混ぜる

 プレーンヨーグルトが個人的には一番おススメですね!。天然でこれだけ甘いので、酸味のあるヨーグルトと相性抜群です!

 もっと綺麗に撮ればよかった^^;w。

◆古くから親しまれた自然の恵みに触れてほしい

 栽培品種と違って実は小さいし、触るだけでボロボロと落ちるし、形は不揃いだし…天然物って食料としては実際扱い辛いのが本当のところなのですが、同時に昔から親しまれたものであり、人々の暮らしのすぐそばにあって季節の生活を彩ったりしてくれた存在でもあります。

 本来【生活】というのはとても楽しいものであります。ですが忙しいばかりの現代社会において生活とは、まるで苦行のような時も多々ありますね^^;。そんな時に、こんな昔ながらの生活の在り方に少しでいいから触れてみて欲しいと思うのです。

 そこには生きる為の仕事があって、それがそのまま生活になって、それだけで心が落ち着き豊かになると自分は思うのです。

 人々が時々文明を離れて、あえて不便な暮らしをしてみたいと思うのはきっと、そこにこそ人の生活の本質があるのかも知れません。

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