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2020-02-26

福島潟フォトコンテスト…落選!

 まずはタイトルの通り、フォトコンテストに普通に落選した。まぁ自分のセンスでは箸にも棒にもかからないだろうとは思っているのでここは『挑戦する事に意味がある!』精神で応募していた。ましてや現代はカメラマン戦国時代と言っても過言では無いくらい撮影者が多い時代、高性能カメラの敷居が下がった分必然的にライバルも増えるってわけだ。一つのフォトコンの応募者数は昔よりも多くなるし、当然似たような写真も凄い数になると思う。審査員も選ぶのが大変そう…

 そんな福島潟フォトコンテスト、まずは規定を簡単におさらいしてみよう。

 今回のフォトコンテストでの主な規定は以下の通り。

  • テーマは福島潟の景観、風物詩、植物、鳥などの自然や、人と潟との関わりを題材にした写真
  • 2019年1月1日(火祝)以降に撮影したもの。
  • カラー・モノクロの四つ切・ワイド四つ切プリントで未発表のもの。応募点数の制限はナシ。フィルム・デジタルを問わないが自家プリンタによる印刷は不可とする。
  • トリミングは可能。合成や不要物消去など、著しい加工の施された作品の応募はNG。
  • 動植物や環境に悪影響を与えている事が明白な写真は選外となる。

 と、いった具合だ。この辺は全国どこのフォトコンでも言われている内容と大差無い、と言うか、テンプレート的な部分だと思う。後はお決まりの『未発表の物に限る』が付いている。応募者全員がフェアで良識的にコンテストが出来るようにするためのものだ。

 メインの審査員の方は写真家【米 美知子】さん。アマチュア時代から数々のコンテストで華々しい功績を残し、沢山の著書も出版されておられる方。自然をテーマにした作品が多く、福島潟のフォトコンにはうってつけの方だ。

 このコンテストが始まる少し前に、米 美知子さんの写真展がビュー福島潟で行われていたので勿論見に行ったのだが、色彩も豊かだし、光の瞬間も絶妙だし、時間を忘れて見入ってしまった。構図とか場所とか人は色んな事を言うけど、最後はやっぱりセンスだと思う。そういう意味ではクリエイティブな脳が死んでいる自分には、写真の世界はかなり厳しい(汗)下手の横好きと思って暖かく見守って頂けるとありがたい。

審査結果通知

 応募期限ギリギリで持って行ったから、ひと月と経たないで審査結果が届いた。あまりの早さにいかに自分の作品が見向きもされなかったかが覗えるw。後程書くのだが、落ちた理由は自分でちゃんと分かっているつもり。自分の持ちうる実力を遺憾なく発揮しての結果なので、なんの不満も無い。上手い人はいくらでもいるのだ。

 提出した作品は事務所があるビュー福島潟にて返却してもらう予定なのだが、この通知によると返却作品には審査を通過した作品には印が付いているらしい。実は前回も応募しているのだが、その時の作品もカスリもしなかったのでまぁ今回も無いと思う。

実際に応募した作品

 落選したのでもうどこで発表しようが自分の自由だ。って事で応募した作品を見てほしい。

F9 SS1/60 ISO-100 -0.7補正 19㎜ K-1 DA12-24 20200104

 タイトルは『潟の片隅』。福島潟の夏を彩る蓮が枯れ、潟の端に上げられた様子。枯れたまま水の中に置いておくと、やがて沈んで水の底の土に還っていくのだが、それには地上と違って時間がかかり、堆積した枯れ葉はやがて水の流れを滞らせ澱を生む原因になる。潟の規模が小さい所ではこのように手入れして潟の環境を安定させるのだ。自分なりに『人と潟との関わり』を切り取れたつもりだったのだが。

F4.5 SS1/100 ISO-100 -0.7補正 75㎜ K-1 SIGUMA APO50-500 20200104

 タイトルは『枯れ色』。福島潟には沢山の葦類が生えていて、それらの枯れ姿は、冬の寒さや厳しさを静かに語ってくれるようで好きな光景だ。春先には一斉に焼き払いを行って、潟の命の循環に人が関わっていく。こんな無造作な自然の形も、福島潟の良さなのではと思う。

応募段階でボツにした作品

 四つ切のプリントには、カメラのキタムラで800円程度かかる。そんな高価なプリントを施しておきながら、自らボツにした作品がある。

F4.5 SS1/1250 ISO-100 -0.7補正 75㎜ K-1 SIGUMA APO50-500 02020104

 ある人が言った。『プリントすると写真がもっと上手くなるよ』。プリントは時々するので、なんとなく言わんとせん事は分かってはいたが、この作品をプリントしてその意味を確信した。

プリントで作品の良し悪しが露呈する

 デジタルの時代、撮った写真を見るのは主に『PCやタブレットの画面』になる。当然機種ごとに微妙に色彩が変わったり、画面の明るさ設定でも結構見え方が変わってくる。プリントを意識してレタッチしてみても、悲しいかなまず合う事はない。そしてこの作品が自分にとってそれを教えてくれる物となった。

 この写真を撮影したのは真冬の時期なのだが、福島潟の無料休憩所『潟来停』の前には、春の菜の花よろしく黄色い風景が広がっている。これは全て葉の枯れ色だった。植物の正確な名前は分からないが、真冬に黄色が広がっているのは不思議な光景であると同時に、進む温暖化を表しているようで自分の中で刺さる物があったのだ。

 ところが、実際にコンテストに提出するためにプリントしてみると、全然黄色が映えない。確かに太陽光は強くはなかったが、肉眼で見た時と、PCの画面で見た時はこんなに暗くなかったのだ。ではプリント機が悪かったのか?、それは違う。フィルムと違ってあくまでデータをプリントしているので、どんなプリント機で印刷しても同じように出てくる。高性能なPCモニターはより美しく表示してくれるので、下手な写真も凄く良く見せてくれるが、コレが実態なのだ。

コンテストは残念だったが、福島潟の自然はいい

 写真の技術的な部分は、世の中に詳しい人が沢山いるし、ネットで調べりゃそれはそれは凄い数の情報が出てくる。今更自分の様な下手の横好きが何語ろうと誰にも響きはしないが、これだけは言える。やっぱり自然はいい!

F5.6 SS1/4000 ISO-100 -0.7補正 K-1 SIGUMA APO50-500

 太陽に恵まれると、キラキラと煌めく水面が眩しくて、まるでクリスマスイルミネーションのようだった。

F5.6 SS1/250 ISO-100 -0.7補正 K-1 SIGUMA APO50-500

 先ほどのボツ写真の風景を接写した。こんな風に小さな葉達の様々な枯れ色が沢山組み合わさって、不思議な風景を作り上げている。自然界ではこんな風に『小さな一つの集まり』が、息をのむような絶景を生む。

F8 SS1/80 ISO-100 -0.7補正 K-1 SIGUMA APO50-500

 立ち枯れた葦。寒い冬でさえ、整然とした立ち姿をしている。本来なら雪に圧し潰されているのだが、この冬は倒れる事無く風に吹かれていた。

F8 SS1/60 ISO-100 -0.7補正 290㎜ K-1 SIGUMA APO50-500

 散らばった鳥の羽。恐らく猛禽類に捕食された小型の野鳥だろう。福島潟には冬になると、山の方から鷹類や鷲類が下りてくる。ハヤブサやオジロワシなども!こんな命の光景も収めていきたい。

F5.6 SS1/125 ISO-100 -0.7補正 K-1 SIGUMA APO50-500

 折り重なる。共に過ごした夏を思い出すと、すっかり老けてしまったお互いに。せめて、雪の布団を被せてくれまいか?

フォトコンテストとは

 フォトコンテストを行う最大の目的は『宣伝と販促』だ。今回の福島潟フォトコンも、福島潟の自然保護を広義で伝える事を主目的としている。フォトコンを通して福島潟を広く知ってもらい、自然保護の大切さと、来客による経済効果によってより保護活動を維持していけるようにする事が目的。だからこそ撮影テーマが『潟と人との関わり』なのだ。そしてコンテストで入賞した作品はそのまま福島潟のPRの為に使われる。潟に直接関わる職員ではなかなか見出せない視点なんかも発見できるので、その意義は十分にある。その為のフォトコンだ。

 今回自分はこの人と潟との関わりの部分が弱かった。自分の作品からはその関わりが伝わってこなかったのだ。そして何より写真が良くないwいずれにせよ、テーマを噛み切れていなかった事が最大の敗因。福島潟側も、『こんな写真が来たらいいな』的な期待があるはずなので、そこに応えられなかった事だ。

フォトコンと販促活動

 また、フジカラーなどの大手企業が後援する事で、コンテスト自体の質を向上させるとともに、企業側にとっては商品の購入に繋がったり、サービスを利用してくれたりと販促に繋がる。

 これは新潟の釣具店などでも行われている『フィッシングダービー』も同義だ。競争をする事で活動はより活発になり、商品やサービスが売れて市場が活性化する。ユーザー達は積極的にフィールドに出てどんどんプレイする事で、それを見ているオーディエンスも刺激される。そしてそれが更に新規ユーザーを呼ぶ。コンテストやダービーにはそんな意図があるのだ。

張り合いと目標はあった方がいい

 いくら好きな趣味でも、一人で漠然とやっていたらいずれマンネリ化する。そのマンネリ化が市場の衰退を招くのは間違いない。何よりそれではお互い成長が無い。切磋琢磨はいつの時代もどんな世界にも必要不可欠なのだ。

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