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2022-07-14

PENTAX・K-1で新しいカスタムイメージ『里び』で思い切り撮ってみる ~作例集~

 2021年末、PENTAXシリーズにアップデートが配信され、その中で新しいカスタムイメージに『里び』というモードが追加されました。

 70年代のフィルムカメラのタッチをイメージして作られたモードだそうで、なかなか味のある仕上がりになります。公式サイトから記録メディアにダウンロードして、カメラ本体でアップデートするとすぐに使えるようになります。

 配信されてからそれなりに時間が過ぎましたが、ネットで検索しても意外と作例が少なかったので自分なりに色々取り散らかしてみました。

 因みにこの里び、GRⅢでは使えませんでした^^;。せっかくいい雰囲気なのでGRⅢでも使えるようにしてほしかったです。むしろGRⅢで使えるのが一番良かった…。

目次

◆ワントーン落ち着いた仕上がりで大人なPENTAX

 PENTAXのカメラって結構色が協調されて(特に緑)鮮やかな仕上がりになる傾向があります。因みに自分が使っているPENTAX・K-1には所謂標準モードというのがありませんので、カスタムイメージをオートに設定している事が多いのですが、大方「風景」が選択されます。

 あとは時々赤がぶっ飛んで凄い仕上がりになる事がありますw。

●まずは手近で試し撮りをしてみた

F3.5 SS1/80 ISO-100 0EV 50㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 毎度お馴染み我が家の田んぼ。生憎の雨かと思いきや、カスタムイメージの持つ独特の雰囲気がかえって雨の情景を引き立たせてくれました。

F7.1 SS1/80 ISO-3200 -1EV 50㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 雨の雫が留まるウドの葉。柿の木と建物の陰になっている所なのでとても薄暗いですが、これもまたその良さを強調してくれています。

F3.2 SS1/80 ISO-400 -0.7EV 55㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 花が枯れて散り始めたツツジ。以前はこんな雰囲気の写真を別のカスタムイメージ『銀残し』撮っていました。枯れた色の哀愁がなんとも言えず、自分はこれを『枯れ色』と呼んでテーマにしています。里びで撮る枯れ色もなかなか味わい深いです。

好みに設定を調整してみる

 PENTAXのカスタムイメージはそれぞれ個別に更に自分好みに設定ができるようになっています。

 今回ゲットした里び、何枚か試し撮りしてみて自分なりに調整を少し変えてみました。

・彩度 -1

・キー -1

・コントラスト +2

 と、まぁこんなところです^^。さて、コレで撮り散らかしますか!。

◆まずは撮影頻度が高い自然風景

 自分の撮影テーマで一番多い自然風景。このカスタムイメージで自然の風景写真を撮るとどんな風に写るのか。元の仕上がりがグッと影を引き締める感じなので、これはこれで良い仕上がりになりそうです。

●緑が中心の風景

F22 SS1/2 ISO200 -0.7EV 24㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 深い緑に囲まれた滝のある風景。

 現場は写真の通り結構暗い条件でした。三脚はなく手持ちでの撮影です。滝が被写体ですが、周りの景色を広く入れる事で鬱蒼としたこの場所を里びの良さを生かして表現してみました。

F11 SS1/60 ISO-3200 0EV 50㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 シダが茂る杉林の風景です。

 曇天の林内で奥行き感がナチュラルに出ていますが、里びが更にそれを自然な風合いで仕上げてくれています。

光と水滴

F3.5 SS1/250 ISO-200 0EV 70㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 成長して開いたゼンマイの葉。差し込む木漏れ日に通り雨の雨露が煌めいていました。

 森の中に差し込む太陽光って結構鋭くなる時があるのですが、落ち着いた彩度やトーンによってそこらへん結構和らいでいるようです。この辺の表現は森の中のいろんな被写体で雰囲気を作れそうです。

F22 SS1/3 ISO-100 -0.7EV 70㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 ブナ林の中を流れる沢沿いに咲いたオオカメノキ。ガクアジサイに似ていますが、葉っぱがアジサイより広く大きいです。

 これも手持ち撮影。三脚持って歩くのメンドくさくてWw。ホワイトバランスを4300Kまでずらして撮影しました。背景の沢の流れは涼やかな感じになりつつ、ちゃんと里びの良さは出ています。こんな撮り方も良いですね。それにしても最近のカメラの手振れ補正の性能が驚異的。。。

●少し色合いの変わる風景

F5.6 SS1/250 ISO-200 -1EV 70㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 ギンリョウソウが腐葉土の中から顔を出していました。

 色合いが緑あふれる景色から落ち葉の色に変わるだけで、また一つ雰囲気が出来上がって良いですね^^。先程のゼンマイ同様木漏れ日が差し込んでいるのですが、鋭くなり過ぎずに柔らかな雰囲気に仕上がっていますね。コントラストを足してもこれなら影を強調した表現の幅が広がりそうです。

風景のコントラスト

F13 SS1/250 ISO-200 0EV 24㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 一切経山の魔女の瞳。

 この山の一番の見どころです。こんな雄大な景色の撮影に選択しても違和感は感じないですね。70年代のフィルムカメラをイメージしたとの事ですが、なんだか『昔訪れた山の記憶』って感じがします。贅沢を言うならもう少し古めかしく仕上げる方法があるとより里びの雰囲気を活かせるかも。

●自然風景写真で選択しても全然アリ

 最初に公式サイトで見た時は、流行りのエモさを追求するかんじなのかな~…なんて思っていましたが、普段自分が撮っている自然風景写真にも非常に相性が良いです。ちょっとピンと来た時なんかはすぐにカスタムイメージを変更して撮ってみるようにしています。

◆街中でスナップ撮影

 カスタムイメージのコンセプトが70年代フィルムカメラと言う事で、やっぱり街角スナップは試してみたいですね。

 都会の風景と言うよりは、少し古めかしい雰囲気のある所を探して撮影してみました。

●ありきたりな街の中の風景

F3.5 SS1/1250 ISO-200 0EV 24㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 狭い住宅街の小さな交差点。伸びる電柱の影が印象的でシャッターを切ってみました。

 カメラ片手にブラブラ散歩していると、こういう所って結構撮りがちだな~と思います。交差点って表現の世界では凄く抽象しやすい何かがあるんだと思います。

F3.5 SS1/640 ISO-200 0EV 50㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 自転車が並ぶ駐輪場、人々の忙しい毎日を象徴するようです。

 彩度が低く落ち着いたトーンの里びは、こんな感じの風景が良く似合う気がします。逆にこの風景を彩度バリバリで撮ってもなんか違う感が出ると思うのです。

もう少し視点を変えて

F4.5 SS1/250 ISO-200 0EV 24㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 少し路地に入り込んだ小さな飲み屋街。昼間は明かりも消えて随分静かです。きっと夜には沢山のお客さんで賑わっているのでしょうが、人影の無い昼の風景をより象徴的に表現してくれています。

 ラフに撮り歩くお散歩スナップ撮影でまた一味違った雰囲気を作れそうです^^。

F3.5 SS1/640 ISO-200 0EV 35㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 ツタに埋もれる電気メーターが凄い所。

 何となく異世界感があると言うか、世紀末って言った方が良いのかなw。こういう風景を普通のカラーリングで撮影するのもスナップらしくて良いですが、里びで撮るとボロい景色をより引き立ててくれるので雰囲気造りは抜群ですね。

●スナップで撮るならあえて鮮明に写さない方がよさそう

 一しきり撮り終えて帰宅して現像をかけている時にふと思ったのですが、これってあんまり高描写で撮らない方が良いのでは?と、思ったのです。昔のフィルムカメラがコンセプトになっているなら、その時代でこんなにシャープに写る事ってそうそう無かったはずなので敢えてピントを一歩ズラすとかしてみれば良かったですね。

そもそも撮影に使用しているカメラ自体がフルサイズ機なので、古めかしさを出す為にはレタッチしなければならないです。そんなレタッチめんどくさくてあんまりしてられないので、撮影設定でそれらしくなるように色々試行錯誤してみようと思います^^。

◆夏の田舎の寸景

 田舎の夏って、もうそれだけでエモいですよねw。

 このエモいテーマをどうやって自分らしく表現しようかと日々考えていますが、考えるより感じる方が大事なのでここは里びが効きそうな風景をブラブラ探しながら撮ってみようと思います。

●なんと言っても夏の空

F9 SS1/500 ISO-200 0EV 24㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 近所に木製の架け橋が掛かっているのですが、主要県道と川の反対側の農道を繋ぐ近道になっています。重量制限1tで、軽自動車くらいしか通れない橋です。

 他に目立つ人工物が無い所なのでもっと良く撮れそうな感じもしたのですが、今の自分のセンスではこれが限界ってところですw。

F7.1 SS1/320 ISO-100 0EV 24㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 盛大に葉を茂らせる木の向こうの夏空。昔こんなそらが堪らなく好きだったのを覚えています。あの頃見ていた夏の空をどうやったら表現できるのか。いつかハッとするような一枚が撮れたらと思います。

『里び』で写す里らしい風景

F5.6 SS1/640 ISO-100 0EV 70㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 田んぼがあって、畑があって、木製の低い電柱があって、道があって…そんな田舎らしい風景です。景勝地とは違ったリアル田舎です。

 こういう風景って、彩度マシマシで入道雲とか入っているとSNS映えするのですが、それだけだとやっぱりつまらないので何かもう一つ引き出しがあると良いなと思っていたところでした。

 撮ってみて思ったのですが、しっかり田舎…よりもなんかこう、劇画タッチの寂れた田舎の方がこの感じに合いそうです。

●少し趣向を変えてみた

 仕上がりイメージにはそれぞれ名前が付いていて、その名前通りに使うと大体ハズレは無いようにできています。

 ですが別に『風景』でポートレートを撮っても問題無いですし、クロスプロセスや銀残しでスポーツ写真を撮っても良いわけです^^。

低めのトーンが世界観を作り出す

F2.8 SS1/40 ISO-800 -0.7EV 24㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 森の中に鳥居がある風景。

 低めのトーンで撮ると雰囲気を通り越して世界観が出ますね。鬱蒼と暗い場所でこの仕上がりイメージで撮ってみると非常に世界観が出来上がる気がします。

田んぼの上を走る風

F8 SS1/3 ISO-100 -0.7EV 35㎜ PENTAX・K-1 D-FA24-70

 これも我ながら結構お気に入りです。

 曇天下の田んぼの風景がどことなく荒廃した世界の草原のイメージに繋がった気がします。何かにつけて低めの表現には重宝しそうな仕上がりイメージという感じです^^。

◆感想

 風景やポートレートなどの一般的な仕上がりイメージと違って、完全に『表現』を突いているようですね。モードを合わせてとりあえず撮る。そんな感じで何か写真表現の幅を広げるきっかけの一つにするという感じです。

 SNS全盛時代の昨今、写真表現の幅はかつてでは信じられないくらい広がっています。個人的に特に注目しているのが『レトロな表現』です。

 パッと見ただけで見た人が『どこか懐かしい』や、『この感じ子供の頃どっかで見たよな~…』と言ったようなインスピレーションを瞬時に抱く色使いと言いますか。それ自体が懐かしい時代にあったものではなくてもそんな風に感じる表現ってあると思うんです。

 今回はメーカーが提供する仕上がりイメージで色々試してみましたが、自分なりに色作りを勉強しているところなので、近々そんな事もテーマにしてみたいです。

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