基本的に自分は貧乏だ。低身長定収入低学歴だ。『それでよくカメラなんかやってられるな!』と、ツッコまれそうだが、それなりにやりようもあるのだ。
そもそも自分がPENTAXを使っている最大の理由が『コスパとアイテムの入手難易度が低い』事だ。勿論マトモに揃えようとすれば本体と標準レンズと広角レンズと望遠レンズでオール中古でも50万円なんて軽く飛んでいく。中古もピンキリ、新品同様からゴミ同然のボロボロの物まで様々だ。そこでジャンク品に目を付けた。多少状態が悪くても自分で可能な限り手入れしてみれば意外と使えるのだ。当然ジャンクの度合いによっては部品取りにすらならない物も多いので、見極めは大事だ。
一応一眼カメラシェアでは国内三位くらいらしいので、それなりに中古品の玉数も市場にある。比例してこのようにジャンク品も結構あるのだ。いつもお世話になっているカメラ屋さんのジャンク品コーナーで今回の品物も見つける事が出来た。
smc PENTAX-FA 28-80mm F3.5-4.7
レンズタイプ/標準ズーム
フォーカス/AF、MF
レンズ構成/8群8枚
焦点距離/28-80mm
最短撮影距離/0.4m
解放F値/F3.5-4.7
フィルター/58mm
重量380g
Kマウント
パワーズーム機能付き
切り換えスイッチ欠損/レンズ内多少のゴミ/パワーズーム不動
ジャンク品価格 ¥780
なかなか悪くなさそう。自分のK-1はシルバーなので、黒いカメラの方がしっくりくるかな?
バッテリーグリップを外した方がしっくりくる!ここから見るとなんだか時代を感じる形だ。
ジャンク品はジャンク品、それなりの状態ではある。このジャンクレンズは何かのスイッチが付いていたらしいのだがなんのスイッチか詳しい事はチョット分からなかったのでここでは割愛させて頂く。なんだか可愛らしいテープで補修されていた。
ジャンク品定番のクモリ、ゴミ、カビの御三家はあるとの事だったが、殆ど分からないし、撮影には影響が無い程度と言える。むしろ他の本格的にやられている物と比べりゃ何も問題無いに等しい。
ワンちゃんのテープはさすがにちょっとアレだったので剥がしてセロテープに張り替えた。このスイッチはマクロか何かの切り替えだったのだろうか。
このレンズにはパワーズームと言って、モーターでズーミングしてくれる贅沢な機能が付いていた。ズームリングを前方にズラすと使えるようになる。早速自宅に戻ってK-1に装着してみたところ、突然動き出してビビった!なんだ…使えるじゃん、使わないけど。
なんせこのパワーズーム、騒音が凄まじい。景勝地などでこんな音立てていると目立ってしょうがない。今はただの面白機能としておこうwあんまり動かして遊んでいるとかえって故障の原因になると思う。
手近な所で試し撮りしてみた
所詮はジャンク品なのであまり細かい事はきにせず、一番大事な撮影の部分がどうなのか試さなくては!勿論、その前に簡単に拭き掃除は済ませてね。
これは…!なかなかシャッキリ写るじゃないか!久しぶりにアタリを引いたぞ!?
順光から撮っても悪くないゾ!?拘る人にとっては四隅のアレとか納得できないのだろうが、自分のレベルならもうこれで十分やっていける。
このレンズは至近距離でフォーカスを合わせるとこの写真のように四隅がケラレたり辺光量が不自然に落ちたりするが、その辺だけ気を付ければとても20年前のジャンク品とは思えないくらいだと思う。あまり細かい事を気にしない自分はお買い得品の極みくらいに思う!
適当にピントを壊して玉ボケを作ってみた。K-1本体には『F4.7』と言う規格が無い為、一番ズームしたところのF値が4.5と表示される。
ちょうど頭上をガン類が飛んで行った。マガンかな?オオヒシクイかな?
使えるレンズフードを持っていないので、光の角度によってはメチャクチャにゴーストやフレアが入り込むが、うまく生かして撮る事が出来ればオールドレンズ感が出てかえって良いかもしれない。
僅か¥780円で購入したレンズでこれだけキレイに撮れれば丸儲けだと思う。しかもフルサイズ対応レンズで。捨てる神あれば拾う神あり…か。
そもそもPENTAXの『FA』レンズとは?
実はFAレンズはこれが初めてではなく、K-70がメインだった時に使っていた望遠レンズも持っている。これも勿論ジャンク品を¥3200で購入し、自分で可能な限り分解整備したものだ。これも随分活躍してくれた。そして今でも現役。
まだまだペンタキシアン歴の浅い自分がここでふと疑問に思った事がある。フルサイズ規格のK-1が発売になったのはほんの数年前。それまでのデジタル一眼レフはみんなフォーサーズやAPS-Cなど中、小サイズセンサーが主流だった。それなら将来フルサイズデジタル一眼を世に送り出す予定があって、先んじて何にでも装着できるレンズを作って発売してしまったのか?…いや、そんなよく分からない事をメーカーがするはずない。じゃあ『FA』ってなんだ?
本当にここ2、3日で知ったのだが、この『FA』という規格は『フイルムカメラ時代のもの』だったそうで、さらに『Kマウント』だから20年以上経った現代のデジタル一眼にも装着、使用できるとの事だった。
自分にとってフイルムカメラと言えば、フォーカスもズームも絞りもシャッター速度も全て自分で、ファインダー内とかにある露出計を見ながら決めるのが普通だった。しかもフイルムカメラのレンズはデジイチのマウントに合わないのが普通だと思っていた。
ところがPENTAXは、Kマウントが世に出てから今日に至るまでKマウントレンズがどのカメラでも使えるようにしてくれていたユーザー思いのメーカーだったのだ。
35㎜判が入っていたマウントだ、通りでAPS-Cが入っていたマウントにフルサイズセンサーがそのまま入るわけだ。
左側はK-70に装着されたオールドレンズ。いつ頃の物かは詳しくは分からないが、AFなどの電子制御系は一切付いていない。絞りは手動なので、本体では電源ON毎に焦点距離を設定し、多くのモードが使えなくなり、絞りはエラー表示になる。これもジャンク品で¥800で購入した物。これが結構キレイに写るのでいずれこのオールドレンズ縛りで撮り歩いてみようか。
右に居るのはOLYMPUS OM-1というバリバリのアナログカメラ。勿論『現役で使える』し、実際に登山にも持って行く事もある。40年前のカメラだ!ちなみにこれは『超程度の良いジャンク品』だった。いずれこれについても弄っていこう!
チョット話がそれたが、フイルム時代のレンズがそのまま現役で使えるなんて、『レンズは資産』の本当の意味はここにあるのだと思う。
中古でもジャンクでも自分次第
お金を出せば誰でも当たり前に『プロ並みの機材』が買える時代、チョット足を止めて古くなったアイテム達を手に取ってみてはいかがだろうか?何十万円も出さなくても、工夫次第でそれに匹敵する結果を得られるのでは?むしろ玄人さんほどやってみる価値はあるのでは?
なんでも捨てるのは簡単だし楽だし、何より今在る物の価値を落とさなくて済む。でもそれだけじゃこれまで積み重ねてきたものを『無かった事』にするみたいで寂しくないだろうか。。。
手先に覚えがあればジャンク品遊びはこんなにも楽しいぞ!?
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