令和3年2月22日、日曜日と新天皇誕生日に挟まれて普通に平日となってしまった月曜日、仕事の休みを取って夫婦で栃木県の那須町にある『那須どうぶつ王国』へ行ってきた。新潟市内から下道でも三時間そこそこで辿り着けるので、実は結構訪れやすい場所だったりします。自分達夫婦はこれで三回目の入国ですね^^。
那須どうぶつ王国 (nasu-oukoku.com) 公式ホームページ。王国に居る動物達の紹介や営業イベント案内、お土産の通販にYouTube動画まで充実の情報量。
どうぶつ王国の記事は『獣編』と『鳥編』に分けて投稿しようと思います。動物達の表情や、動物写真を撮る時はどんな事を意識したら良いのかな?ガラス越しの撮影の攻略方法は!?などを軸に記事を書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします^^。
◆動物の表情、仕草をイキイキと観察できる
那須どうぶつ王国では、それぞれの動物達の元の生息環境に近い状態をなるべく忠実に再現して、半ば放し飼いみたいにしているのが特徴です。湿地帯や熱帯になどを再現したコーナーでは、そのような所を生息地にしている動物達がどんな風に暮らしているのかが見れる所で、広い建屋内で放し飼いなので何がどこにいるのかワケ分からないくらい自由にノビノビとしています。そんな中で動物達の表情や仕草を見ているのは楽しくて仕方ありませんね^^。
●今回の一番のお目当てだったスナネコ
『砂漠の妖精』と例えられる小型の猫科動物。猫と言っても家猫と違って完全に野生の猫なので、その仕草はなかなかにワイルドでした。
一番の特徴はこの大きな耳ですね、可愛い^^。じっくり見ていると、やっぱり顔つきは家猫のそれとは違うものになっていますね。顎の感じなんかは獲物を嚙み砕くのがイメージできるような形です。
シャー!って、もうコレ完全に猫ですw。決してケンカしているのではありません、じゃれて遊んでいるのです。ベースはガッチリ野生の生き物なので、じゃれ遊びもワイルドですね。この構図で見るとなんだかポケモンバトルみたいで面白いです^^。
爪とぎの様子も家猫ですね^^。実はまだ生まれて一年も経っていない子猫だそうで、子猫で既にこの感じなのは流石野生ですね。筋肉の質感まで伝わってきます。
少し前に何かのテレビ番組でこのスナネコが紹介された折り、まるでペットの猫の様な表現で放送された事が批判され、炎上していたそうです。事の詳細は分かりかねますが、人に懐く訳がないスナネコをさもペットにできるかのような放送の仕方を行った事が、取材を受けたスナネコを飼育する動物園を失望させてしまったそうです。それをきっかけにペットにする為にスナネコを野生から捕獲して、懐かない事を理由に放棄される事を懸念しての事のようですが、確かに日本でもアライグマの事もあります。しかもアライグマは外来生物法によって駆除の対象となっています。
この一件によって、スナネコを通して人と野生動物の在り方についてまた考えるきっかけになりましたね。『可愛い』だけではなくちゃんとその動物の事を理解しないといけませんね。動物園は人々にその在り方を問いかける場所でもあります。
●撮影難易度MAX!ちょこまか動くお猿達
自分の中で写真を撮る時、被写体として一番厄介なのが小っちゃい子供とお猿さんだと思っています^^;。まずの話、じっとしてた試しが無いですからね(汗)。それでも今回は頑張りました。野生のニホンザルはあまり近付けないですから、人に一番近いお猿の写真を間近で撮れるのは動物園くらいですね。
縦構図です。この一枚を撮る為にこの一匹を50枚は撮りました(汗)。動物撮影とはいえ自分は連写は殆ど使わないので、もし連写で撮影していたら300枚は撮っていたであろう労力を費やしたと思います多分w。
目線の先には一緒にイタズラしていたもう一匹の同種のお猿(スミマセン、名前調べてませんでした)が居て、何か仕掛けようと一瞬止まった時の一枚です。グッと何かに集中した時のこの横顔は、人間でも写真に収めたくなるくらい煌めく瞬間ですね。我ながら良い一枚が収められて良かったと思っています。
コチラはワオキツネザル。熱帯ランドを縦横無尽に駆け回っては、飼育員さんを困らせているイタズラ大王です^^。5、6頭いたように思いますが、あんまりちょこまかするので分かりませんw。
なんの植物を食べているのでしょう?飼育員さんのお話によると、この木の葉を好んで良く食べているそうですが、そもそもここに居るワオキツネザルがなぜコレがそんなに好きなのかはよく分かってないそうですw。まぁ、人類である自分から見ても決して美味しそうには見えないのですが、これだけ齧るのですから何かのっぴきならない理由があるのでしょう。
◆リラックスしてる時こそシャッターチャンス!
シャッターチャンスとか言ってるとなんだか死語を使うオジサンみたい(!?)。動物達のリラックスした姿はコチラも癒されますね、リラックスの表情もそれぞれの個性が出ていて、それぞれの多様な生き方をここで垣間見る事が出来ました。
●レッサーパンダは寝てばかり
モフモフ系っていつも寝ている印象がありますね^^。レッサーパンダはどこの動物園へ行ってもアイドル的存在です。寝ているだけでアイドル的に持て囃されるって、こう言うのを才能と言うのでしょうか…。
少し人目に付きにくい所で丸まって寝ていました。一件グッスリ寝ているように見えますが、近くを人が通ると少し目を開けてまた閉じるを繰り返していました。ウトウトしているのか、警戒を怠らないのか、レッサーパンダもなかなか大変なようです。
望遠でしっかりズームして、手振れに気を付けて慎重にシャッターを切ります。毛の一本一本まで綺麗に捉えられました。望遠レンズは手振れによる影響が非常に大きいですから、まして薄暗い屋内では尚更露光設定に気を付けて撮影しなければなりません。三脚は当然、一脚ですら憚られる場所ですから。自分は感度をISO-6400を上限に設定して、あとはオートISOにしてそれ以外の物理的要素で手振れやピン甘に対応しています。
●ガラスの向こうの猛獣
大型猫科動物、ジャガー。人の目に触れる事を好まない(そりゃ当然か)猛獣は、ガラス張りの広く複雑な形状のケージに居る。望遠レンズの大きな前玉を向けた瞬間、その鋭い瞳を突き刺してくる。大きなその顎は、自分の頭など簡単に噛み砕く。撮り終えて暫し見つめ合う。誇り高きジャングルのハンターは何を思うのだろう。
スナネコもそうなのですが、撮影はガラス越しになっています。この一枚は、何を反射しているか分からない緑色の反射光が返ってアクセントになってくれて、どこか寂し気な表情をしたジャガーの鋭い眼差しを強調してくれました。ガラス越し撮影のコツは後程。。。
●世界最古の猫
中央アジアなどの厳しい環境の中で生息する太古の猫。長い毛足と分厚い脂肪に覆われた骨太な肉体が、アスリートとは違う原始人のような屈強さを想起させる。この舎に居るマヌルネコは夫婦で、数年前に子猫を設けていました。猛獣とも違う、かと言ってアイドル的アニマルとももっと違うその眼差しは、何かを諭してくれるような趣でした。
ここもガラス越しの撮影になっていますが、ここでもうまく反射に乱されずに撮影する事が出来ました。大勢の方が訪れるので、ガラス面自体は決してキレイではないのですが、コツを掴めば殆どの状況に対応できそうです。
●寒いのは嫌いなミーアキャット
キャットとはいうものの、マングースの仲間ですね^^。鳴き声がなんとなくにゃぁにゃぁ言うのでキャットなんでしょうかw。アフリカ南部に生息していて、昆虫類なんかを主に食べているようです。
今回の撮影で自分的にはかなりのスマッシュヒットを出せた一枚かなと思っている物です。まるで昭和Vシネマのポスターみたいな仕上がりになりました。設定値を見て頂いても分かるように、どアンダーで撮っています。スナネコや日本リスのいるコーナーで一緒に居たのですが、少々薄暗い所で、このオレンジ色の光はこの子達用のヒーターです。
引きで見るとこんな感じでしたwメチャクチャ温まっています^^。撮影した時は二月の下旬、一年で一番寒いくらいの時期ですからね(汗)、動物達も大変です。
今回撮っていて思ったのは、リラックスしている動物達の姿は一番個性が出る瞬間なのかなと。活動を休んでいるとなんだかつまらないと思いがちなんでしょうが、そう思っても敢えて足を止めてじっくり見ていると、実はとても面白いので是非ゆっくり観察してみて下さい。
◆動物写真は動体写真、動くものは難しい
当然なんですが、彼らは別に上手く写真に収まろうなどとは一切思いません。コチラが頑張るしかないのです!ってなワケで失敗作も置いていきますのでご参考程度に^^;
オットセイのアクアステージショーでの一枚です。まだ若くて元気いっぱいのミナミアメリカオットセイが凄い身体能力を発揮してパフォーマンスを繰り広げてくれます^^。そして彼を盛大に黒潰れさせてしまいました…。現像時にHDRなどで見えるように処理しても良かったのでしょうが。
主な原因は撮影位置です。良く晴れて陽光にも恵まれたのですが、自分が座った観客席がやや逆光位置になってしまっています。右方向から強く陽が射しているのですが、それをシッカリ読んで反対側の座席に行けば良かったというなんともお粗末な失敗例です^^;。
これはもう分かり易く失敗ですね。大体想像は付くのかと思いますが、野鳥撮影なんかも含む動物写真の8割がこんな感じです。実際撮影枚数で言ったら600枚くらいあるのですが、取り合えず見せられる物は20枚くらいでした^^;。その中から自分的にちゃんと見せられるのなんて5枚くらいです(汗)。自分は連写をしない(と言うか自分の愛機は連写がすこぶる弱い…)のでトータルの枚数自体は多くないのですが、1000枚を超える人でも納得の一枚なんて難しいそうです。やっぱり思い立ったらあまり考えず、じゃんじゃん撮った方が良いですね。
猫もソーシャルディスタンスの時代ですよ…。フェンスが張られているなら、ちゃんとその状況を活かした撮影をすれば良かっただけなのに、猫と触れ合えないショックがこの場にどんより漂っていてそれどころではなかったです。。。
被写体を決めたらその正面に構えて、ズームなどでフェンス自体を前ボケにしながらその奥に佇む猫の姿に哀愁を表現できれば、今の時代を風刺するような一枚が撮れたはずなのに…勿体無い事をしました。
◆今回の撮影の総括
今回はガラス越しの撮影が多い事を事前に承知していたので、対策法を色々考えてから挑みました。その他、動き回る動物達をどのようにしてブレさせずに収めるかを作戦を練っておきました。
●ガラス越し対策
那須どうぶつ王国では、ガラス張りのブースに動物達を観察できるような仕様になっている所が多く、いくら檻よりも綺麗に見えるとは言え只写しただけでは、反射はするわ歪みはするわで目で見る程綺麗に写せない事が課題でした。
そこでいつも使っている高倍率の望遠レンズで、ガラス面に対して直角にレンズを構え、前玉をしっかりガラス面に近付け(ガラス面を傷つけないように注意!!)、尚且つ基本的にズームで撮影し、光を拾いすぎないよう露出補正を常にアンダー寄りで撮影しました。繰り返し試して見つけた攻略法なので物理的な原理は正直分かりませんが(そればっかりw)スナネコの撮影ではガラスを邪魔に感じる事なく撮る事が出来ました。
●ちょろちょろ動き回る対策
動物なんで当然動き回ります。そして動物写真の殆どがこのブレによって失敗作になる事かと思います。単純にシャッタースピードを上げても良いのですが、それによって感度が上昇し過ぎて画質がザラ付いてしまいます。好感度ノイズが嫌でISOを落とせば暗くなりすぎて、レタッチで明るさを直すのですが、それも結局画質劣化の原因になってしまいます^^;。
そこで今回は、露出補正をシャッター速度稼ぎの軸にしました。ISOが上がり過ぎたと感じた時だけ下げるようにして、とにかく露出補正をアンダーにしまくりました。今回はこの作戦が当たりました^^。PENTAX.K-1のモニターではどう映っているのか分かりにくいのですが、思っていた以上に綺麗に収まってくれて良かったです。
自分のPENTAX.K-1とSIGUMA.APO50-500の組み合わせがイマイチなのか、そもそもPENTAX.K-1自体がそうなのかは分かりませんが、0EVで撮るよりマイナス補正で撮る方が写りが良かったりするんですよね。今後はもうアンダー基準で撮り続けていった方が良いのかな^^;。次回は鳥編です!
那須どうぶつ王国
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