このブログは写真を軸に雑記のように綴っているのですが、自分が魚釣りをしたり、登山をしたりと、アウトドアで生きているので近頃はそっちが軸になっている感じですね^^。
そんな自分、現役バリバリの農家なのですが、農家の風景を写真に収めるって殆ど無かったんです。作業自体が忙しいのであんまり写真を撮っているヒマが無いんですよね^^;。せっかくいい風景もあるのに勿体ないと常々思っているんです。
我が家は新潟で米作をしています。今の時期は田植えの準備で忙しくしていました。他に自前の畑で家庭菜園程度の野菜栽培をチラホラとしていました。そんな風景を小さく切り取ってみたので、是非眺めていって下さい^^。
◆春の瑞々しさが溢れる◆

春の花と言えば菜の花ですね。ですがコレは一般的な菜の花とは違い、食用にする『冬菜』という立派な野菜なのです。ホウレン草のように葉の部分を主に食します。時々花も飾り程度に食べます。冬の終わり頃に旬を迎えるので、早春の生野菜として非常に美味しいです^^。冬菜は新潟の農村では至る所で栽培されていて、春の定番食材です。

朝露に濡れてとっても瑞々しくなった冬菜の葉、この鮮やかな緑色が冬の終わりにとても目に優しいです。黄色い花は見た目も綺麗で良いですね。今年も美味しく春を頂きました^^。
●ソラマメの花をご存じですか?
初夏の晩酌の定番ソラマメ。種子を自家採取できる数少ない作物の一つで、短い時期に沢山収穫できるのでとても重宝しています。そんなソラマメの花、どんな花が咲くかご存じですか?結構面白い花をさかせるんですよ^^。

なんと形用したら良いのでしょうか、鳥のように見えたり魚のように見えたり、白い花びらを大きく広げたその様は、可憐でありながら妖艶であると言えますw。田植えが始まる頃にはこの花がいっぱい咲くのでなかなか面白い光景が見られます^^。
●水稲(すいとう)の瑞々しさ

四月の初めにすず蒔き(米の種子を撒く作業)を行って、無事に稲が伸びた様子です。我が家はプールタイプという育苗方法を行っているので、根本が水に浸かっています。この視点も実際に栽培している農家ならではですね。このようにお米が育てられている事を知らない方は多いと思います。田植えの風景は時期になると誰でも見られるのですが、コレはビニールハウスの中で密かに行われているので。今年も無事に田植えができそうです^^。
◆シックな作業風景に責任の重さが乗る◆
農業とは皆さんの口に入る食材を作る事です。その責任の重さは計り知れないものですし、見えない部分でもいい加減な事は絶対にしたくないのです。

これは発芽した状態のコシヒカリBLの種子です。発芽させるために消毒を行い、水に浸け、薬品成分がちゃんと抜けきるまで水に晒したら初めて播種(はしゅ、種蒔きの事)ができるのです。生産力を保つために強い薬を使用します。決していい加減な調整は行えません。
●機械作業は現代農業の原風景

泥だらけのトラクター。田んぼの境目に立つ畔を塗り固める為の作業を行った後です。現代農業の、特に稲作は最初から最後までキッチリ機械化が進んでいる分野です。農業の中でもここまで機械化に成功している分野は無いのでは?。トラクターは農繁期は勿論、冬の間も除雪作業なんかで使う事もあります。一年中活躍するトラクターには感謝ですね^^。
機械のある風景はモノクロで撮影すると無機質な雰囲気がよく表現できます。それでも何というか、機械の息遣いみたいなものがそこには乗っていて、緑あふれる明るい定番の農業風景と違って、これも農業という文化の風景の一部である事を伝えたいです。

田植えに向けて播種作業を終えた播種機の後ろ姿。これは農家以外の方はまず目にする事は無い機械なのだと思います。
農作業は腰や肩が痛くなる事が多いですね^^;、機械を見るだけでなんだかドッと疲れを思い出してしまいますw。
●実りへの願い

播種を終えた育苗箱のある風景。被せているのは保温シートです。促成栽培と言って、早く育つように成長を促す栽培方法です。今年はビニールハウスを増設しました。雨風晒されなくて済むので、安心して育苗できます。

同時進行で進めていたジャガイモ畑。マルチシートを使用すれば、雑草と無駄に戦わなくて済むので便利です。ですが、脱プラスチックの時代にガンガン使うのもどうかと考えてしまう今日この頃、何か良い手はないものかと思案中です^^。
◆萌える季節もすぐそばに◆
庭に圃場に沢山の草花が育つ我が家では、いつも草花の成長を見る事ができます。

予定の半分くらいまで成長した水稲苗。その株元には小さく根を伸ばす籾がありました^^。農家でもここまでじっくり見る事は無いと思いますので、この様子は案外貴重かも知れません。沢山のお兄ちゃんお姉ちゃんに囲まれて、一生懸命に成長しようとしている姿に、なんだか勇気づけられますね。
●咲いて散る花

これは桃の花です。出荷するのではなく、義父母が趣味で育てているだけの木です。数年前までは8本ほどあったのですが、寿命がきて現在はこの木一本だけです。沢山の実を付けるワケではないですが、大きな美味しい果実を毎年与えてくれます^^。夕日を透かした花びらの向こうには、季節の変わり目の幻想的な空が広がっていました。

我が家で一番最初に花を咲かせる梅の木。気が付いた頃にはもうすっかり散っていました。夏には香り高い梅干しになります。どの花も最終的に食用になるところが我が家ならではな感じがしますね^^;。木の株元一面に散りばめられた梅の花びらが、桜の散る頃を思わせるようでなんだか季節の変わり目の印と思えました。

こちらはキウイフルーツの新芽です。花が咲くのは夏頃なので、今暫くですね^^。
キウイって、果実その物も結構毛だらけですが、実は新芽の段階から既にモフモフしてるんですよw。触るとホントにモフモフです。新芽なのに葉はかなり厚みがあって、これだけでもなんだか天ぷらとにしたら食べられそうな感じですが、食べません。植物は何が毒になるか分からないですからね^^;、先人たちの発見は凄い!。
◆写真の良い所は、撮り人の目線がそのまま伝わる事◆
今回は農家をやっている自分の目線で農家の風景をお届けしましたが、同じ農家でもみんな見ている所はそれぞれです。写真の良い所はそのそれぞれの目線を見える化して伝える事ができるところですね。最近では動画がその主たる表現方法にとって代わって来ていますが、静止画の良さは受けての感性を刺激して想像をかきたてる事ができる事。動画では全て伝わるように説明してくれる親切さがありますが、写真はみた人が自由に感じても良いというものです^^。
見た人の想像力を刺激するような写真、時代を超えても撮り続けたいと思います。

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